こんにちは、阿久津です。先日寄稿した記事でも紹介したように、Windows XPのサポート終了に伴って、数々の施策が実施されています。日本マイクロソフトの説明によれば、米国時間の3月8日からWindows Updateからの通知を受け取るように設定されているWindows XP上で、移行準備を促すメッセージダイアログが現れるとのこと。

本稿は3月10日に執筆していますが、すでに通知開始時期を過ぎています。そのメッセージダイアログをひと目見ようと、仮想マシン上のWindows XPを立ち上げてみましたが、待てどもメッセージが現れません。何らかの設定ミスかとWindows XPの設定を見直しましたが、特に問題ありません。

何気なくWindows Updateの更新を実行したところ、「優先度の高い更新プログラム」にKB2934207として「Windows XPサポート終了のお知らせ」が現れました。記者会見の説明を聞くかぎり、Windows XPへログインする際にメッセージダイアログが現れるものと認識していましたが、KB2934207のインストールが必要でした。詳細を確認したところ、「Xp_eos.exe」「Updspapi.dll」の2ファイルが新たに加わり、メッセージダイアログを表示させる仕組みのようです(図01~02)。

図01 Windows Updateに現れた「Windows XPサポート終了のお知らせ」。<この更新プログラムを非表示にする>がグレーアウトしているのもポイントです

図02 KB2934207の詳細内容。サポートページや詳細ページへのリンクが用意されています

KB2934207のインストール完了後にWindows XPの再起動は不要ですが、「システム構成ユーティリティ(msconfig.exe)」で確認しても、新しいファイルがスタートアップに組み込まれた形跡はありません。「レジストリエディタ」で検索しても結果は同じ。「Xp_eos.exe」を実行したところ、メッセージダイアログが現れました。

結局どのようなタイミングでメッセージダイアログが現れるのか確認できませんでしたが、Windows XPは日常的に利用している環境ではないため、一段落つけることにします。本稿を執筆するにあたり、「Windows XP、Office 2003 サポート終了の重要なお知らせ」にアクセスしたところ、カウントダウンタイマーが「残り30日」を指していました(図03~04)。

現在Windows XPを使用中の方は、残り一カ月で多くのセキュリティホールを抱えた状態となります。Windows 8.1でもWindows 7でも構いませんが、迅速な環境移行を行いましょう。

図03 Windows XPのサポート終了を知らせるメッセージダイアログ。実際は「Xp_eos.exe」を実行することで現れます

図04 Windows XPおよびOffice 2003サポート終了まで30日を切りました

さて、Windows 8.1で新規ユーザーを作成すると、モダンUIの操作を説明するヘルプティップスが現れるようになりました。チャームバーの呼び出し方法やスタート画面の呼び出し方法、アプリケーションの切り替えなど4種類のヘルプティップスが用意されています(図05)。

図05 Windows 8.1から加わったヘルプティップスのひとつ

一見すると便利な機能ですが、既にモダンUIの操作方法を把握しているユーザーには無用です。そこで、新規ユーザー作成時も同ヘルプティップスが現れないようにするチューニングを行いましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\EdgeUIキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「DisableHelpSticker」を作成し、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了させ、Windows 8.1を再起動します。

これでチューニングが完了しました(図06~14)。

図06 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図07 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windowsキーを開きます

図08 Windowsキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図09 キー名を「新しいキー #1」から「EdgeUI」に変更します

図10 EdgeUIキーの右ペインを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図11 値名を「新しい値 #1」から「DisableHelpSticker」に変更します

図12 DWORD値「DisableHelpSticker」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図13 <×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

図14 Windows 8.1を再起動します

では、結果を確認してみましょう。「PC設定」から新規ユーザーアカウントを作成し、そのままユーザーアカウントを切り替えてください。この状態でヘルプティップスが現れなければチューニング成功です。ただし、状況によってローカルアカウントでは、ヘルプティップスが現れないことがあります。その際はMicrosoftアカウントを新規取得し、新規ユーザーを作成してください(図15~22)。

図15 [Win]+[I]キー→<PC設定の変更>→<アカウント>とクリックなどで選択します

図16 <その他のアカウント>→<アカウントを追加する>とクリックします

図17 <Microsoftアカウントを使わずにサインインする>をクリックします

図18 <ローカルアカウント>ボタンをクリックします

図19 ユーザー名のみ入力し、<次へ>ボタンをクリックします

図20 <完了>ボタンをクリックします

図21 [Win]キーでスタート画面に戻り、ユーザーアイコンをクリックすると現れるメニューから新規ユーザーをクリックして選択します

図22 新規ユーザーで任意のWindowsストアアプリを起動します。この状態でヘルプティップスが現れなければ、チューニング成功です

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus