こんにちは、阿久津です。Windows 8およびWindows 8.1には、トースト通知と呼ばれる機能が備わりました。OSやWindowsストアアプリが発する通知を画面右上に表示し、ユーザーに通知やアクションをうながす機能です(図01)。

図01 スタート画面やデスクトップの右上に現れる通知を「トースト通知」と呼びます

しかし、スタート画面やWindowsストアアプリ使用時なら構いませんが、デスクトップ使用時にトースト通知が現れることに、違和感を覚える方も少なくないのでは。そもそも、Windowsストアアプリを使っていない場合、トースト通知を必要とする場面はさほど多くありません。強いて言えば、Windows Defenderがマルウェアを検知したときぐらいでしょうか。筆者も当初はトースト通知を無効にすると不便が生じるかと思い、通知を表示する時間として最短の5秒を選択し、通知音を無効にしていました(図02~04)。

図02 トースト通知が無効な状態でマルウェアを検出すると、ダイアログによる通知が現れます

図03 「PC設定」→「簡単操作」→「その他のオプション」と開けば、トースト通知の表示時間を設定できます

図04 「PC設定」→「検索とアプリ」→「通知」と開けば、トースト通知のサウンドを無効にできます

確かに当初はトースト通知が目に入ります。そのうちに存在すら気にならなくなり、それなら同機能自体を無効にしてもよいのでは、と思うようになりました。トースト通知は図03の画面にある「アプリの通知を表示する」のスイッチを「オフ」にすることで無効にできます。

しかし、それでは本連載らしくありませんので、レジストリからトースト通知を無効にするチューニングをお届けしましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\PushNotificationsキーを開きます。
3. DWORD値「ToastEnabled」を作成します。
4. レジストリエディターを終了させ、Windows 8/8.1に再サインインします。

これでチューニングが完了しました(図05~09)。

図05 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図06 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\PushNotificationsまで、キーをたどって開きます

図07 PushNotificationsキーの右ペインを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>をクリックします

図08 値名を「新しい値 #1」から「ToastEnabled」に変更します。そのまま<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させてください

図09 スタート画面のユーザーアイコンをクリックし、メニューから<サインアウト>をクリックします

では、結果を確認してみましょう。設定チャームを開くと、その時点でトースト通知が無効になっていることがわかります。さらに「検索とアプリ」の「通知」を開けば、「アプリの通知を表示する」のスイッチが「オフ」となり、正しく設定できたことを確認できました(図10~11)。

図10 [Win]+[I]キーを押して設定チャームを開くと、「通知」アイコンに×印が付いています

図11 「検索とアプリ」の「通知」を開くと、「アプリの通知を表示する」のスイッチが「オフ」になっています

前述のとおり、DWORD値「ToastEnabled」のデータと「アプリの通知を表示する」のスイッチは連動していますので、元に戻す場合は同値のデータを「1」にするか、PC設定から変更してください。

通知機能を抑制するチューニング

なお、通知音はDWORD値「AudioEnabled」と連動し、データが「0」に場合に「通知音を鳴らす」のスイッチが「オフ」となります。これだけでは面白くありませんので、通知機能を抑制するチューニングも紹介しましょう。下記の手順を実行してください。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows\CurrentVersion\PushNotificationsキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「NoToastApplicationNotification」を作成し、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが完了しました(図12~18)。

図12 レジストリエディターを起動し、HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows\CurrentVersionまで、キーをたどって開きます

図13 CurrentVersionキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図14 キー名を「新しいキー #1」から「PushNotifications」に変更します

図15 PushNotificationsキーの右ペインを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>をクリックします

図16 値名を「新しい値 #1」から「NoToastApplicationNotification」に変更します

図17 DWORD値「NoToastApplicationNotification」をダブルクリックし、データを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図18 最後に<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

こちらも結果を確認してみましょう。先の手順を参考にPC設定から「検索とアプリ」の「通知」を開くと、「一部の設定はシステム管理者によって管理されています」というメッセージが現れ、各スイッチがグレーアウトするようになります(図19)。

図19 「検索とアプリ」の「通知」を開いても、一切の設定変更が不能に

トースト通知の有無だけではなく、通知を一定時間停止することも設定できなくなるので、好みに応じて使ってください。なお、元の状態に戻すには、PushNotificationsキーを削除し、PC設定を一度終了してから再設定します。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus