こんにちは、阿久津です。Microsoftは昨年から問題になっていた「SkyDrive」の商標問題をようやく解決しました。新名称は「OneDrive」。SkyDriveの名称は、欧州で有料衛星放送を配信するBSkyBのブランド「SKY」とバッティングしているとされ、2011年に訴訟を起こされました。2013年7月に英国高等法院による判決でMicrosoftの敗訴が決定。その結果、同社はブランド名変更を余儀なくされた、というのが大まかなあらましです。

図01 新たに公式ブログ「OneDrive Blog」を立ち上げたほか、「OneDrive.com」のドメインもすでに取得済みのようです

あくまでも個人的な意見ですが、「SkyDrive」が「SKY」というブランドを侵害しているという印象を持つことはできません。しかし、判決は判決です。この決定が下された後に来日したSkyDrive担当シニアディレクターのDharmesh Mehta(ダルミッシュ・メタ)氏は、SkyDriveという名称を全世界で変更すると述べていました。

そして、その結果が「OneDrive」です。執筆時点ではMicrosoft CEOであるSteve Ballmer氏が掲げたキーワード「One Microsoft」と同じく、ユーザーの思い出や出来事を一つの場所にまとめるという意味では、適切な名称ではないでしょうか。

すでに新ドメイン「OneDrive.com」も取得していますが、サービスのローンチは"coming soon"と少し先の話。コンシューマーアプリ&サービス担当ジェネラルマネージャーのRyan Gavin(ライアン・ギャビン)氏は、同公式ブログで「SkyDriveおよびSkyDrive Proユーザーは全員(OneDirveに)配置されます」と述べており、我々利用者は特にアクションを行わずともローンチを待つだけでよさそうです(図02)。

図02 「OneDrive.com」にアクセスしても、サービスはまだ開始されておらず、電子メールによる通知を受け付けている状態でした

気になるのは、そのローンチタイミング。ご存じのとおりWindows 8.1はシェルとSkyDriveが融合しているため、関連コンポーネントもアップデートしなければなりません。もちろんシステムファイルの差し替えは更新プログラムで対応できるので、Windows Updateなどで名称を変更するのは難しい話ではありません。しかし、直近にWindows 8.1 Update 1(仮称)が迫っており、このアップデートのタイミングで名称変更に至ると思われます。

さて、Windows 8.1でも[Alt]+[F4]キーで「Windowsのシャットダウン」ダイアログを呼び出せることをご存じでしょうか。Windows 8以降はモダンUIにより、従来と異なる操作を求められるようになりましたが、Windows 9x時代のショートカットキーはWindows 8/8.1でも利用可能。ドロップダウンリストからアクションを選択して<OK>ボタンをクリックすれば、再起動などを実行できます(図03)。

図03 [Alt]+[F4]キーを押すと現れる「Windowsのシャットダウン」ダイアログ

しかし、このダイアログのドロップダウンリストは「シャットダウン」が初期状態で選択されていますので、他の操作を行う場合はドロップダウンリストから選択する手順が加わり、便利ではありません。そこで今週は、「Windowsのシャットダウン」ダイアログの初期選択アクションをレジストリから変更するチューニングをお届けしましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advancedキーを開きます。
3. DWORD値「Start_PowerButtonAction」を作成し、データを「4」に変更します。
4. レジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが完了しました(図04~09)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advancedまで、キーをたどって開きます

図06 Advancedキーの右ペインを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>をクリックします

図07 値名を「新しい値 #1」から「Start_PowerButtonAction」に変更します

図08 DWORD値「Start_PowerButtonAction」をダブルクリックし、データを「4」に変更します

図09 最後に<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

それでは結果を確認してみましょう。早速[Alt]+[F4]キーを押すと「Windowsのシャットダウン」ダイアログが現れますが、今度はドロップダウンリストの初期選択項目が「再起動」に変化しました(図10)。

図10 [Alt]+[F4]キーを押すと現れるダイアログの初期アクションが「再起動」に変化します

このように、「Windowsのシャットダウン」ダイアログは、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\AdvancedキーのDWORD値「Start_PowerButtonAction」を参照し、初期アクションを選択しています。たとえば、このDWORD値のデータを「100」に変更した場合、「ユーザーの切り替えが」選択されます。詳しくは図13をご覧ください。なお、これらのチューニングを破棄する場合は、DWORD値「Start_PowerButtonAction」を削除します(図11~13)。

図11 DWORD値「Start_PowerButtonAction」をデータを「100」に変更します

図12 初期アクションが「ユーザーの切り替え」に変化します

図13 各データと初期アクション。数値は16進数で入力してください

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus