こんにちは、阿久津です。リモートデスクトップでWindows 8.1などにアクセスしている場合、[Win]+[X]キーで呼び出すクイックアクセスメニューが利用しにくいように感じています(図01)。
筆者の場合、Windows Server 2012をリモートデスクトップ接続で使っていますが、初期設定では「全画面表示の使用時のみ」に[Win]キーによるショートカット操作が有効となっています。そのためリモートPCをウィンドウ表示している際に[Win]+[X]キーを押すと、ローカルPCのクイックアクセスメニューが開いてしまいます(図02)。
図01 [Win]+[X]キーを押すと現れるクイックアクセスメニュー |
図02 「リモートデスクトップ接続」のオプションを開き、<ローカルリソース>タブの「キーボード」セクションで[Win]キーの動作を選択できます |
もちろん設定を変更すればリモートPC側でも[Win]キーを用いたショートカットキーが利用できますが、この設定は排他処理なので、今度はローカルPCで同ショートカットキーが使えなくなります。
筆者はリモートPC上でコントロールパネルを利用する際、「お気に入り」にそのショートカットを作成していましたが、より便利なのはエクスプローラーに追加する方法でしょう。こちらは定番のチューニングに数えられますが、64ビット版Windows OSもずいぶん普及してきたので、あらためて紹介しましょう。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0}キーを開きます。
3. {5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0}キーのセキュリティの詳細設定ダイアログを起動します。
4. 同キーの所有者をAdministratorsアカウントに変更します。
5. Administratorsアカウントにフルアクセスを許可します。
6. DWORD値「DescriptionID」を作成し、データを「3」に変更します。
7. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\MyComputer\NameSpaceキーを開きます。
8. サブキー「{5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0}」を作成します。
9. レジストリエディターを終了します。
これでチューニングが完了しました(図03~18)。
図15 次にHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\MyComputer\NameSpaceキーを新たに開きます |
図18 64ビット版Windows 8.1の場合は、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\MyComputer\NameSpaceキーに、図16~17の操作を実行します |
それでは、レジストリエディタを終了して、結果を確認してみましょう。リモートデスクトップ接続を想定し、タスクバーに並ぶエクスプローラーのボタンをクリックしてください。「フォルダー」セクションにコントロールパネルが加わりました。ただし、ウィンドウの再利用は行わず、新たなウィンドウが開きます(図19~20)。
このチューニングが不要になった場合は、HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID{5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0}キーのDWORD値「DescriptionID」、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\MyComputer\NameSpaceキーの{5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0}キーを削除してください。
ナビゲーションウィンドウにコントロールパネルを追加する
さて、エクスプローラーには各フォルダーや機能を参照するための、ナビゲーションウィンドウが用意されています。こちらを利用するチューニング方法も紹介しましょう。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}キーを開きます。
3. 先の手順を参考に所有者およびアクセス権をサブキーを含めて変更します。 4. DWORD値「System.IsPinnedToNameSpaceTree」を作成し、データを「1」に変更します。
5. ShellFolderキーのDWORD値「Attributes」のデータが「a0000004」になっているか確認します。
6. レジストリエディターを終了させ、Windows 8.1に再サインインします。
これでチューニングが完了しました(図22~29)。
図22 図05~11を参考に所有者およびアクセス権を変更します。ただし、詳細設定ダイアログを、<子オブジェクトのアクセス許可エントリすべてを、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可エントリで置き換える>にチェックを入れて閉じます |
図23 先の手順を参考にレジストリエディターを起動し、HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}まで、キーをたどって開きます |
図27 続いてShellFolderキーを開き、DWORD値「Attributes」のデータが「a0000004」になっているか確認してください。正しい場合は<キャンセル>ボタンでダイアログを閉じます |
64ビット版Windows 8.1の場合は、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Classes\CLSID{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}\ShellFolderキーに、図27の操作を実行してください |
それでは結果を確認してみましょう。エクスプローラーのナビゲーションウィンドウに「コントロールパネル」というカテゴリが加わりました。こちらからカテゴリ形式で各項目の参照が可能になります(図30~31)。
不要になった場合は、HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}キーのDWORD値「System.IsPinnedToNameSpaceTree」を削除します。
今回は2種類の追加方法を紹介しましたが、ナビゲーションウィンドウを非表示にしているユーザーは前者を。同ウィンドウを多用しているユーザーは後者を。特に問題がなければ両方のチューニングを実行してください。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)