こんにちは、阿久津です。先週の記事で述べたコンピューターのトラブルですが、再インストールという結果に至りました。HDDを換装し、動作検証しましたがトラブルは依然残ったまま。となるとSSD上のホストドライブや、回復パーティション、UEFIシステムパーティションなどに何らかの障害が発生していると推測できます。
そもそもSSDの物理的/論理的破損も、システムファイルの異常も検出されません。しかし、Windowsリカバリー環境で文字が表示されない現象は、何らかの理由でフォントの読み込みに失敗していると思われます。仕方なしにPCリフレッシュを試みても、"リフレッシュを実行できない"といった意味を示すメッセージが現われて不可能。この時点で対応策が思い浮かばず、再インストールに踏み切った次第です。
デスクトップアプリは再インストールの手間が発生しますが、ユーザーデータはバックアップを分散しているため、難なく復元完了。Windows 8.1のISO形式ファイルからインストールしたため、完全にクリーンな気持ちの良い環境となりましたが、今回発生したトラブルの原因を見付けられなかったことだけが悔やまれます。
加えてフルバックアップデータを作成できないのは、やはり困りもの。Windows 8.1は「Windows 7のファイルの回復」がなくなり、定期的にシステムイメージファイルを作成することはできません(「システムイメージの作成」で手動作成は可能)。また、コマンドラインから実行するwbadmin.exeコマンドは残されていますが、UEFI環境で実行するとドライブ文字の取得が正しく行われないため、バックアップを作成できませんでした。
いざバックアップツールを調べてみると、UEFI環境への対応はスペックに記載されるようなレベルで、実際に使ってみないと完全対応か一部対応かは判断できません。今後Windows OSの標準バックアップツールは「ファイル履歴」のように、ファイル単位のバックアップを主軸に置くことは明確ですので、ユーザーとしては何らかの対応策を講じる必要性がありそうです。
さて、Windows 8.1のエクスプローラーには「フォルダー」グループが新設され、「デスクトップ」や「ダウンロード」といったフォルダーがドライブなどと同列に並ぶようになりました。その代わりナビゲーションウィンドウからは「ライブラリ」が取り除かれましたが、あくまでもこれは非表示になっただけに過ぎません。リボンの<表示>タブにある<ナビゲーションウィンドウ>→<ライブラリの表示>と選択することで、表示の有無を選択できます(図01)。
そのフォルダーグループの中には、ユーザーによっては参照頻度が著しく低いフォルダーもあることでしょう。そこで今週は不要なフォルダーを同グループから取り除くチューニングをお送りします。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer \MyComputer\NameSpaceキーを開きます。
3. {B4BFCC3A-DB2C-424C-B029-7FE99A87C641}キーの先頭に「;(セミコロン)」を追加します。
4. [F5]キーを押してから、レジストリエディターを終了します。
これでチューニングが完了しました(図02~05)。
図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows \CurrentVersion\Explorer\MyComputer\NameSpaceキーまで、キーをたどって開きます |
早速結果を確認してみましょう。エクスプローラーを起動するか、起動済みの場合は[F5]キーを押して表示内容を更新すると、それまでフォルダーグループに表示されていた「デスクトップ」フォルダーが表示されなくなりました。このようにNameSpaceキーで指定したクラスIDが参照できない場合、エクスプローラーから特定のフォルダーが取り除かれます(図06)。
NameSpaceキー下にある各キーをコメントアウトした場合、フォルダーグループ自体がなくなり、Windows 8以前と同じ動作に戻ります。ただし、使い勝手は良くありませんので、図08を参考に非表示にするフォルダーを厳選してください(図07~08)。
本チューニングの応用例としてNameSpaceキーに特定のクラスID(を名前に持つ)キーを追加することで、エクスプローラーの「PC」にフォルダーを追加することが可能です。例えば「{21EC2020-3AEA-1069-A2DD-08002B30309D}」という名前を持つキーを追加すれば、「すべてのコントロールパネル項目」が「PC」に加わります。通常のコントロールパネルを追加したい場合は、キー名を「{5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0} 」としてください。なお、元の状態に戻すには、ステップ03で加えたセミコロンを取り除くだけです(図09~11)。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)