こんにちは、阿久津です。ある日、コンピューターを再起動したところ、ページングファイルに不具合が発生しているとの警告メッセージが現れました。筆者はページングファイルのサイズとして、推奨値の8ギガバイトを指定していたはずですが、実際のサイズは約32ギガバイト。物理メモリーと同じ容量のため、特に意識していませんでしたが、毎度同じ警告メッセージを見るのも野暮な話です(図01)。

図01 Windows 8.1起動時に現れるようになった、ページングファイルに起因する警告メッセージ

何らかの理由でファイルが破損したのだろうと思い、セーフモードからページングファイルを削除しようと、設定チャームからトラブルシューティングを進めたところ、文字が表示されずにアイコンのみ表示されるトラブルが発生しました。仕方なく他のコンピューターで確認しながら進めていくと、起動オプションのアイコンが表示されていません。

あまり時間的余裕がない場面だったため、別ドライブに作成していたページングファイルを破棄し、ページングファイルの管理を初期状態に戻しました。SSDのホストドライブ上に作成するのは、耐久性の面で不安が残りますが、パフォーマンスが向上するというメリットを踏まえると、悪いことばかりではありません。その一方で発生していた問題が、システムの復元に起因する0x81000203エラーです(図02)。

図02 システムの復元を参照すると現れるエラーメッセージ。このメッセージを見るのは長年Windows OSを使っていますが初めてです

手持ちの資料やWeb上で検索してみると、ドライブの空き容量不足やシステムファイルの整合性が取れなくなっているケースが報告されていました。chkdsk.exeやsfc.exeといったコマンドでドライブの状態を確認しましたが、特に問題なし。サービスがうまく稼働していないのかとswprv(Microsoft Software Shadow Copy Provider)を手動実行しても結果は一緒。いったいWindows 8.1がどんな状態になっているのかと、イベントビューアーを起動したところ、こちらは0x50エラーが発生していました(図03)。

図03 イベントビューアーもすべてのログが破棄されるというトラブルが発生しました

どうも特定箇所ではなく、ハードウェア的なトラブルではないかと推測し、SSDをチェックしようと、ひよひよ氏のCrystalDiskInfoを起動した途端、すべてが解決しました。データおよびユーザーフォルダー用ドライブのHDDでセクタエラーが発生したのです(図04)。

図04 「CrystalDiskInfo」でドライブ状態を確認すると、HDDで問題が発生していました

各ドライブのSystem Volume Informationフォルダー下に復元ポイントを作成しているため、このようなトラブルが発生したのでしょう。ただし、イベントビューアーは%SystemRoot%\system32\winevt\Logsフォルダーに格納されますので、ドライブの状態が問題とは思えません。しかし、HDDを換装しないと検証できないので、ひとまずは代替用のHDDを注文し、到着および換装を終えるまでは"だましだまし"使うことになりそうです(図05)。

図05 %SystemRoot%\system32\winevt\Logsフォルダーの内容。ファイルサイズを見るとログは記録されていますが、一部は10月1日を境に更新されていません

さて、Windows 8.1にはロック画面にピクチャーフォルダーや、SkyDriveのPicturesフォルダーの画像を映し出すスライドショー機能が加わりました。こちらで設定できるのは参照フォルダーや、カメラロールフォルダー参照の有無、バッテリー駆動時の動作などにとどまっています(図06)。

図06 Windows 8.1の「ロック画面」。スライドショーに関する設定が並びます

一度スライドショーが始まると、電源オプションで設定した「ディスプレイの電源を切る」で指定した時間が経過するまで、次々と画像が映し出されてしまいます。そこで、スライドショー機能が参照するHKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Lock Screenキーにエントリーを加えて、スライドショーを一定時間で終了させるようにしてみましょう。今週はスライドショーの実行終了までのタイミングを調整するチューニングをお届けします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Lock Screenキーを開きます。
3. Lock Screenキー内にDWORD値「SlideshowDuration」を作成します。
4. DWORD値「SlideshowDuration」の値のデータをミリ秒単位の10進数で指定します。
5. レジストリエディターを終了します。

これでチューニングが完了しました(図07~12)。

図07 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図08 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Lock Screenまで、キーをたどって開きます

図09 Lock Screenキーを開き、何もないところを右クリックします。メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックしてください

図10 値名を「新しい値 #1」から「SlideshowDuration」に変更します

図11 DWORD値「SlideshowDuration」をダブルクリックで開き、<10進数>をクリックします。値のデータを「30000」に変更して、<OK>ボタンをクリックしてください

図12 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

早速結果を確認してみましょう。[Win]+[L]キーを押してロック画面に切り替え、数秒ほど待つとスライドショーが始まりますが、今回のチューニングにより30秒ほど経つと終了します。ステップ3で作成したDWORD値「SlideshowDuration」は文字どおり"スライドショーの継続時間"を意味し、ステップ4で指定した時間が経つと終了するというもの。

入力するデータ値は10進数のミリ秒(1秒=1000ミリ秒)で換算されますので、図11で入力した「30000」は30秒となります。あまり短くしてしまうと、すぐにスライドショーが終わってしまうため面白くありません。例えばスライドショーを5分間実行する場合は、データ値を10進数の「300000」に変更してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus