こんにちは、阿久津です。日本国内ではあまり話題になっていませんが、CNET NewsやReutersの報道によりますと、MicrosoftがMotorola(モトローラ)との特許訴訟において第2段階も勝訴したそうです。ことのあらましは、2010年にMotorolaが「Xbox」などで使用しているH.264と無線LANに関する特許使用料として、Microsoftに最大40億ドルを請求していたというもの。

Motorolaは2010年にネットワーク部門をNokia Solutions and Networksに売却。翌年の2011年にMotorola MobilityとMotorola Solutionsの2社に分社化され、前者をGoogleが買収しています(買収完了は2012年5月)。このとき取得したライセンスを盾に、GoogleがMicrosoftに攻撃を仕掛けたというのが本訴訟のポイントでしょう。

シアトル米連邦地方裁判所はFRAND(Fair, Reasonable, and Non-Discriminatory)にMotorola側が反しているとして、裁判費用を含んだ1,450万ドルをMicrosoftへ支払う判決を出しました。FRANDは標準化活動における参加企業に対して、特許権利者が公平で合理的、かつ非差別的に協議しなければならないという義務を課すルールです。最近ではAppleとSamsungの間で起きたスマートフォン特許問題で話題になりました。

裁判所はMicrosoftが支払うべき額は180万ドルが適切という意見を付け加えましたが、結果はGoogle陣営の敗訴とみるべきでしょう。もっともMotorola側は判決に納得しておらず上訴するそうです。このようにデバイスや機能だけでなく、水面下での戦いが繰り広げられていることを知れば、次世代IT産業の雄を目指す企業同士の争いをより楽しめることでしょう。

さて、Windows 8マシンに任意のデバイスを接続したり、メディアを挿入するとアクションの選択を促す通知が現れます。ここで実際のアクションを選択できますが、「何もしない」をクリックすると、「自動再生」における同デバイス/メディアの既定アクションが同項目になり、その後のアクションが固定される仕組みです(図01~03)。

図01 Windows 8マシンにデバイスを接続したり、メディアを挿入すると通知が現れます

図02 通知をクリックするとインストール済みアプリケーションに応じたアクションを選択できます

図03 図02で「何もしない」を選択すると、「自動再生」の既定アクションも「何もしない」となります

もちろんWindows 8の動作や仕組みに慣れた方であれば、至極当然の仕様であり、気にすることではありません。しかし、コンピューター初心者には「以前現れていた通知が出なくなった」と戸惑う要素になりそうです。そこで今週は自動再生の選択内容を保存させないようにするチューニングをご紹介します。なお、チューニングを行う前に図03の画面で、<すべて既定値をリセットする>→<保存>とボタンをクリックしておいてください。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorerキーを開きます(ない場合は作成します)
3. DWORD値「DontSetAutoplayCheckbox」を作成し、値のデータを「1」に変更します。
4. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorerキーを開きます(ない場合は作成します)
5. DWORD値「DontSetAutoplayCheckbox」を作成し、値のデータを「1」に変更します。
6. レジストリエディターを終了し、Windows 8マシンを再起動します。

これでチューニングが完了しました(図04~18)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE \Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policiesまで、キーをたどって開きます

図06 Policiesキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図07 キー名を「新しいキー #1」から「Explorer」に変更します

図08 Explorerキーをクリックして開き、右ペインの何もないところを右クリックします。メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックしてください

図09 値名を「新しい値 #1」から「DontSetAutoplayCheckbox」に変更します

図10 DWORD値「DontSetAutoplayCheckbox」をダブルクリックで開き、値のデータを「1」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図11 続いてルートから、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft \Windows\CurrentVersion\Policiesまで、キーをたどって開きます

図12 Policiesキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図13 キー名を「新しいキー #1」から「Explorer」に変更します

図14 Explorerキーをクリックして開き、右ペインの何もないところを右クリックします。メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックしてください

図15 値名を「新しい値 #1」から「DontSetAutoplayCheckbox」に変更します

図16 DWORD値「DontSetAutoplayCheckbox」をダブルクリックで開き、値のデータを「1」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図17 後は<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

図18 [Win]+[I]キーを押して設定チャームを呼び出し、<電源>ボタン→<再起動>とクリックして、コンピューターを再起動します

早速結果を確認してみましょう。先ほどと同じようにWindows 8マシンにデバイスを接続、またはメディアを挿入すると、Toast notificationsによる通知が現れます。今回は適当なアクションを選択してください。チューニング前は「自動再生」のアクションがこの時選択した項目に変更されましたが、チューニング後は「毎回動作を確認する」になっています。このように本チューニングを行うと、アクションを選択してもそれに固定されなくなります(図19~22)。

図19 再起動後にデバイスを接続したり、メディアを挿入して現れた通知で任意のアクションを選択します

図20 図19で「デバイスを開いてファイルを表示する」を選ぶと、エクスプローラーが起動しました。この状態で[Win]+[X]キーを押し、クイックアクセスメニューの<コントロールパネル>をクリックします

図21 コントロールパネルの「自動再生」をクリックします

図22 すると既定のアクションが「毎回動作を確認する」が選択されたままとなっています

チューニング前の状態に戻すには、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE \Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorerキー、およびHKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorerキーに作成したDWORD値「DontSetAutoplayCheckbox」を削除して、コンピューターを再起動してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus