こんにちは、阿久津です。執筆時点では大きな話題として取り上げられていませんが、「Google Drive Blog」によると、GoogleドライブとGoogle+の写真用オンラインストレージ容量5ギガバイトに、Gmailのオンラインストレージ容量10ギガバイトを加え、これらのストレージが共通化されることが明らかになりました。これによりユーザーは15ギガバイトのオンラインストレージが使用可能になります。

同ブログによると数週間以内に適用されるらしく、ストレージの購入ページを確認しますと、現時点では以前のまま。そのため筆者が一昨日寄稿した記事の一部は、すでに古い情報となってしまいました。この拡張により、代表的な個人向けオンラインストレージのなかでGoogleドライブは、最大の容量を提供するサービスとなります(図01)。

図01 執筆時点では変更が加わっていないGoogleの「ストレージの購入」

筆者は2004年9月からGmailを本格的に利用するようになりました。仕事および個人用電子メールアドレスからGmailに自動転送する設定を行っていますが、約9年でも使用容量は32パーセントの約3ギガバイト。オンラインストレージの普及で電子メールの添付ファイルを利用するシーンが激減しましたから、この程度で収まっているのでしょう。

一昔前は原稿や画像を電子メールに添付していたため、ローカルストレージを利用していた電子メールクライアントのメールデータはアッという間に肥大化。当時使っていたMicrosoft Outlookのデータファイル(拡張子「.pst」)のメンテナンスは欠かせない作業でした。

現在ではそのような作業からも解放され、プライバシー問題以外は快適な電子メール送受信環境ですが、GoogleドライブもGoogle+も利用していない筆者の場合、今回の拡張はGmailで使える容量が増えたようなもの。Googleが提供する各種サービスに対しては思うところがありますが、ますます利便性が向上するなかで代替サービスに移行できないのが現状です。

さて、Windows OSでは、ソフトウェアの再利用を目的とした技術としてCOM(Component Object Model)が存在し、Windows 3.1時代から現在に至るまで利用されてきました(厳密には、さらに拡張したCOM+やDCOM、.NET Frameworkなど派生版が多く存在しますが、ここでは割愛します)。このCOMを利用して開発したソフトウェアをCOMコンポーネントと称し、COMコンポーネント同士を区別するために用意されたのが、クラスID(CLSID)です。

例えば、エクスプローラーで参照する「コンピューター」はクラスID「{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}」で管理されており、その名称は展開可能な文字列値「LocalizedString」から「%SystemRoot%\system32\shell32.dll」ファイルを参照。同ファイル内で定義されている文字列値を用いて「コンピューター」という名称を表示しています。

Windows XP時代は、この名称を変更するUI(ユーザーインターフェース)は用意されていないため、HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}キーのエントリを編集して表示名を変更していました。しかしWindows Vista以降は、コンテキストメニューに<名前の変更>が加わるようになり、自身のコンピューター表示名を自由に変更することが可能です(図02)。

図02 Windows Vistaのエクスプローラー。「コンピュータ」のコンテキストメニューに<名前の変更>が用意されています

この設定はユーザーアカウントごとに保持されるため、以前のようにシステム全体に適用することも可能ですが、ここでは「システムのプロパティ」ダイアログで設定する「フルコンピューター名」から文字列を取得し、それをレジストリ経由で変更するチューニングを紹介しましょう。

1. メモ帳を起動します。
2. 下の囲みの内容を入力し、任意のファイル名(拡張子は「.bat」)を付けて保存します。
@echo off
reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}" /f /ve /t REG_SZ /d %COMPUTERNAME%

これでチューニングが完了しました(図03~05)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「notepad」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 メモ帳が起動したら、囲みの内容を入力して<×>ボタンをクリックします

図05 任意のファイル名に拡張子「.bat」を付けてテキストボックスに入力し、<保存>ボタンをクリックします

それでは結果を確認してみましょう。作成したバッチファイルをダブルクリックしてください。これで、エクスプローラーのアドレスバーやナビゲーションウィンドウに表示されるコンピューター表示名が「フルコンピューター名」と同じになりました(図06~07)。

図06 デスクトップなどに保存したバッチファイルをダブルクリックします

図07 エクスプローラーを起動してコンピューター名が変更された確認しましょう。起動済みの場合は[F5]キーを押して表示内容を更新します

囲みを見るとわかるように、手動でコンピューター表示名を変更した場合、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}キーの(既定)のデータ値が書き換わります。

今回は環境変数「COMPUTERNAME」に格納されたフルコンピューター名を展開し、そのままreg.exeコマンドに渡してエントリを書き換えるという手法を用いました。なお、元のコンピューター表示名に戻す場合は、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}キーを削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus