こんにちは、阿久津です。今週の大きな話題と言えば、Windows XPの延長サポート終了まで一年を切った件ですが、こちらは来週月曜掲載予定のレポートで詳しく述べますので、まずは身の回りの話を少々。筆者はここ数年、エンコードした動画や購入したアプリケーションのバックアップなど、すべてのデータをNAS(Network Attached Storage)上に保存してきました。最近ではコンピューターのバックアップもNAS上に保存しているため、当初は広大と思えた保存領域も心もとなく、増設を迫られています。
現在QNAPのTS-410という古いNASを3台並べて運用していますが、使用しているHDD(ハードディスクドライブ)は1~2テラバイトのため、RAID 5で運用しても全体容量は約3~6テラバイト。普段使用しているデータのファイルサイズは大きくても数ギガバイトですが、ホストドライブのバックアップを含めると容量不足。また、各NASはARMプロセッサ搭載モデルですが、最近のTurboNASシリーズはIntelのAtomプロセッサを搭載するモデルに移行しつつあります。
単なるNASならARMプロセッサで十分なのですが、TurboNASシリーズは安定性と多機能さが売り。最近はHDMIケーブルでTVと接続すれば、XBMCというオープンソースベースのメディアプレーヤーで動画などを再生する機能も備えるようになり、上位モデルを欲していました。本来であればTS-x69 Proシリーズが購入対象となるはずでしたが、冒頭の容量不足と同時に購入するHDDの本数を踏まえますと、ホーム&SOHO向けのTS-x69Lが予算的に限界です。最終的にはTS-869Lと3テラバイトHDD×8本という構成で購入しました。
もちろんTS-410を増設するという選択肢もありましたが、これ以上消費電力を増やすのは懐事情が許しません。同NASの消費電力は稼働時に約20W。これが4台となると約80Wですが、対するTS-869Lは約59Wのため、既存のNASをすべて停止しても消費電力はほぼ同等となります。
RAID 5の容量計算式は「C=(n-1)*d(C=利用可能な容量、n=HDD本数、d=HDD容量)」となりますので、今回の構成では21テラバイトという数字が導き出されます。もちろんHDD容量表記の差異が発生しますので、Linux上で見ると容量は19.1テラバイトと示されました。それでも個人的には初めての2桁容量。最初に購入したHDDが、SASI(Shugart Associates System Interface)接続の40メガバイトだったことを思い出すと感慨深い気持ちがあふれてきます。今週日曜に到着し、RAIDの同期を含めたセットアップが完了したのは本原稿に取りかかっている火曜朝。これからデータの移行や整理、設定変更で数日楽しめそうです(図01)。
さて、Windows 8でもデスクトップアプリを多用している方が大多数と思われますが、その動作に違和感を覚えたことはないでしょうか。スタート画面にピン留めしたデスクトップアプリのタイルをクリックしますと、そのまま起動します。さらにスタート画面のタイルをクリックしますと、既にデスクトップアプリは起動しているため変化は生じません。これは、Windows 8が既に起動したウィンドウを呼び出しているために起きる現象です(図02~04)。
無駄にデスクトップアプリを起動しない、という観点からは有用な仕様ですが、複数のデスクトップアプリを起動する意図を持ってタイルをクリックした場合は正しい動作とは言えません。そこで今週は、タイルから複数のデスクトップアプリを起動可能にするチューニングをお届けしましょう。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShell\Launcherキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「DesktopAppsAlwaysLaunchNewInstance」を作成し、値のデータを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了し、Windows 8に再サインインします。
これでチューニングが完了しました(図05~13)。
図06 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShellまでキーをたどって開きます |
それでは結果を確認してみましょう。図02~04の操作を実行している場合、スタート画面には既にエクスプローラーのタイルが存在しているはずです。一度同タイルをクリックして、エクスプローラーを起動してから、再びスタート画面からタイルをクリックしてください。チューニング前は起動済みのエクスプローラーが呼び出されましたが、チューニング後は新たなエクスプローラーが起動します(図14~15)。
このようにDWORD値「DesktopAppsAlwaysLaunchNewInstance」は、デスクトップアプリを起動する場合の動作を制御するエントリで、値のデータが「0」の場合は既に起動したウィンドウを呼び出し、「1」の場合は複数のウィンドウを開きます。筆者は常に新しいウィンドウを開いた方が使いやすいと感じますが、お好みに応じてチューニングを実行してください。なお、初期状態に戻すには、値のデータを「0」にするか、同エントリ自体を削除します。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)