こんにちは、阿久津です。本誌でも報じられているように、「Windows 8 Ads in Apps」が正式に発表されました。同サービスはWindowsストアアプリに広告を挿入する仕組みですが、サービス自体はMicrosoftの公式ブログであるNext at Microsoftで昨年から紹介されています。国内で広告展開を行うマイクロソフト アドバタイジングでの発表は1月18日でしたが、広告自体は以前から挿入されていました。
例えば、俗に言う「上海」をプレイできる「Microsoft Mahjong」には、毎日異なるパターンでゲームを楽しむ「デイリーチャレンジ」が用意されています。筆者の気分転換にピッタリでリリース直後から楽しんできましたが、Windowsストアアプリの更新以降、広告が挿入されるようになり、数カ月前からプレイ前に30秒の動画(CM)を再生する仕組みに変更。当初は致し方ないと動画再生中は音を消してやり過ごしていましたが、最近はすっかりプレイする意欲をなくしてしまいました(図01)。
もちろん同Windowsストアアプリは無料提供されているため、広告による収益システムを導入することに異論はありません。しかし、仕事中の骨休めや気分転換に動画を強制的に視聴させられる=プレイまでに時間を要するのは、個人的に耐えがたいものでした。これがタイル内の広告であれば気にすることもなく、iOSやAndroidのアプリケーションのように購入すれば広告を取り外せる機能が用意されれば問題はありません。事実上のオプトアウト状態であることが、Windowsストアアプリの普及を足止めにならなければよいのですが……。
さて、Windows 8のモダンUIが備える機能の一つとして、Windowsストアアプリの切り替え機能が用意されています。デスクトップやWindowsストアアプリの左上にマウスポインタを移動させますと、Windowsストアアプリのサムネイルが現れ、そのまま下方向にポインタを移動しますと、チャームバーによる各Windowsストアアプリが現れる仕組みです。タッチ機能を備えたタブレット型コンピューターであれば便利な機能に数えてよいでしょう(図02)。
同機能は[Win]+[Tab]キーで呼び出すことも可能ですが、使用しないのであれば「PC設定」の「全般」に並ぶ「アプリを切り替えて使う」をオフにすることで無効にすることができます。この状態では前述したマウスジェスチャーやショートカットキーも無効になり、Windows 8を従来のデスクトップ向けOSとして利用する方には有用な設定となるでしょう。ただし、デスクトップ以外(Windowsストアアプリもしくはスタート画面)では、左上に現れるサムネイルと左下に現れるスタート画面のサムネイルは無効になりません(図03~04)。
Windows 8を従来のデスクトップ向けOSとして利用する場合、Skip Metro Suiteなどを使用して完全に無効化することも可能ですが、ツールになるべく頼らずにカスタマイズを行う方は前述の設定をお試しください。今週は設定にまつわるチューニングとして、アプリの切り替え機能設定を固定する方法を紹介しましょう(図05)。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows\EdgeUIキーを開きます。
3. DWORD値「TurnOffBackstack」を作成し、値のデータを「1」に変更します。
4. [F5]キーを押してからレジストリエディターを終了します。
5. Windows 8へ再サインインします。
これでチューニングが終了しました(図06~14)。
それでは結果を確認してみましょう。設定完了後に「全般」を開きますと、「アプリの切り替え」機能に関する設定が変更できなくなります。なお、[Alt]+[Tab]キーによるアプリケーションの切り替えには、基本的にデスクトップアプリに限定されますが、Windowsストアアプリが起動した状態に同ショートカットキーを使用しますと、現在アクティブなWindowsストアアプリが一つだけ含まれます(図15~16)。
なお、初期状態に戻す場合はステップ3で作成したDWORD値「TurnOffBackstack」を削除するか、値のデータを「0」に変更してください。
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)