こんにちは、阿久津です。本日報じられたようにWindows 8の売れ行きは、Windows 7と比べても比較的高いことがわかりました。かれこれ数カ月ほどWindows 8を使い続けてきた筆者の個人的感想として、デスクトップ型コンピューター向けOSとして使いにくく感じる部分があるのは事実ですが、Windows 7へダウングレードするメリットを見つけることはできません。

確かにWindows 8をデスクトップ型コンピューターで使用するメリットは皆無であり、一部では複数のタッチセンサーを持つ手頃なタッチパネル液晶ディスプレイが安価になれば、Windows 8も普及すると言われているとか。しかし、本稿をデスクトップ型コンピューターでご覧になっている方ならお気付きのとおり、目の前のディスプレイにわざわざ手を伸ばして操作するメリットはありません。

Windows 8の新しいUI(ユーザーインターフェース)はタブレット型コンピューターのものであって、デスクトップ/ノート型コンピューターのものではないのです。Windows 8の売れ行きとWindowsストアアプリの充実度の高まりを踏まえると、もう少し盛り上がって良いのかも知れません(Windowsストアアプリに関しては今週のレポート記事として寄稿しましたので、そちらをご覧ください)。

このような背景を踏まえると、「Windows 7で十分」と考えるユーザーが多いのは自然な流れでしょう。確かにそのような側面はありますが、デスクトップ型コンピューター向けOSとして見ても、Windows 8は少なからず進化しています。Windows 7とWindows 8の差はWindows 2000とWindows XPに近く、カーネルをグレードアップしながら、各所に改良を加えました。確かにIMEの動作やMPEG-2デコーダーの未搭載など気になる点はありますが、いずれもちょっとした操作で改善可能です。

わが家の家族用コンピューターもWindows 7からWindows 8へ移行させたことで、ファミリーセーフティによる使用可能な時間を30分単位で指定し、一日の使用時間も制限可能になりました。Windows 7ユーザーがWindows 8へ乗り換えるメリットは、とても大きくはありませんが、Windows XPからWindows 7に移行するのであれば、Windows 8を選択した方が最新のデバイスを難なく使用できるといったメリットが多数存在します。延長サポート期間が500日を切ったWindows XPを使用しているユーザーはOSのアップグレードを考慮してください。

図01 実行ファイルやショートカットファイルのコンテキストメニューに並ぶ<スタートにピン留め>

さて、冒頭で述べたようにWindows 8のスタート画面になじまず、Classic Shellといった"スタートメニュー復活ツール"をインストールしている方は少なくないでしょう。そうなると邪魔な存在となるのが、ショートカットファイルなどをスタート画面にピン留めする<スタートにピン留め>。今週は、このコンテキストメニューに並ぶ<スタートにピン留め>を削除するチューニングをお届けしましょう(図01)。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\exefile\shell\pintostartscreenキーを開きます。
3. pintostartscreenキーを右クリックし、<エクスポート>を選択して内容をファイルに保存します。
4. pintostartscreenキーを右クリックし、<削除>を選択して同キーを削除します。
5. HKEY_CLASSES_ROOT\Folder\shell\pintostartscreenキーに対してもステップ03~04の操作を実行します。
6. HKEY_CLASSES_ROOT\mscfile\shell\pintostartscreenキーに対してもステップ03~04の操作を実行します。
7. [F5]キーを押してからレジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが終了しました(図02~18)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\exefile\shell\pintostartscreenまでキーをたどって開きます

図04 pintostartscreenキーを右クリックし、メニューから<エクスポート>をクリックします

図05 ダイアログが起動したら「pintostartscreen_exe」などわかりやすい名称をテキストボックスに入力し、<保存>ボタンをクリックします

図06 再びpintostartscreenキーを右クリックし、メニューから<削除>をクリックします

図07 確認をうながすダイアログが現れたら<はい>ボタンをクリックします

図08 続いてHKEY_CLASSES_ROOT\Folder\shell\pintostartscreenキーを開きます

図09 pintostartscreenキーを右クリックし、メニューから<エクスポート>をクリックします

図10 ダイアログが起動したら「pintostartscreen_folder」などわかりやすい名称をテキストボックスに入力し、<保存>ボタンをクリックします

図11 再びpintostartscreenキーを右クリックし、メニューから<削除>をクリックします

図12 確認をうながすダイアログが現れたら<はい>ボタンをクリックします

図13 続いてHKEY_CLASSES_ROOT\mscfile\shell\pintostartscreenキーを開きます

図14 pintostartscreenキーを右クリックし、メニューから<エクスポート>をクリックします

図15 ダイアログが起動したら「pintostartscreen_msc」などわかりやすい名称をテキストボックスに入力し、<保存>ボタンをクリックします

図16 再びpintostartscreenキーを右クリックし、メニューから<削除>をクリックします

図17 確認をうながすダイアログが現れたら<はい>ボタンをクリックします

図18 操作を終えたら、[F5]キーを押してから<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

それでは結果を確認してみましょう。任意のフォルダーやショートカットファイルを右クリックしますと、図01にはあった<スタートにピン留め>が消えてなくなりました。このように同項目を実現しているのはpintostartscreenキーであり、サブキーで呼び出しているクラスID「{470C0EBD-5D73-4d58-9CED-E91E22E23282}」なのです(図19)。

図19 任意のフォルダーを右クリックしますと、コンテキストメニューから<スタートにピン留め>が削除されています

なお、再び同項目を復活させる場合は、エクスポート機能で作成したレジストリファイルをダブルクリックして結合してください。変化が現れない場合は、エクスプローラーの再起動が必要になりますので、その際はWindows 8に再サインインすれば<スタートにピン留め>が復活します。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus