こんにちは、阿久津です。本連載は毎週火曜に執筆し、水曜に掲載というスタイルを10年以上も続けてきました。そのため本稿が、Windows 8のGA版(General Availability version:一般提供版)リリース前に語れる最後の記事となります。Windows 8の発売について思い巡らせると浮かび出すのが、日付が変わる深夜零時に行われる秋葉原の深夜販売です。

筆者が最初に取材へ訪れたのはWindows 98発売イベント。当時の秋葉原は21時を過ぎて大型店が店じまいしますと、あっという間にネオンの明かりも消え、昼間とはまったく異なる景色に変わる街でした。しかし、当日の深夜零時を目標に人が集まり続ける景色は、普段と様子が異なり、集まった人が生み出す熱気と、中央通りを走り抜ける暴走族が奏でる騒音で、「ここは電気の街だっけ?」と見紛(まが)ってしまったことを覚えています。

このWindows 98を手始めに、ビックタイトルに数えられるソフトウェアやゲームは深夜販売を行うようになり、筆者もいくつかのタイトルを入手すると同時に取材に訪れるようになりました。さすがにWindows XP以降の深夜取材は控えていましたが、Windows 8も同様のイベントが開催されるようです。

図01 「Windows 8前夜祭」の開催を告げるWebページ。

発売日前日となる10月25日は「Windows 8前夜祭」と題し、18時から日本マイクロソフト社長の樋口泰行氏によるスピーチから始まり、各種ゲストによるトークショーやライブなどが予定されているとか。同イベントはマイクロソフトユーモールで確認できるように、実機を用いたタッチ&トライコーナーも用意されるそうです。ちなみに会場はベルサール秋葉原。ご興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか(図01)

さて、先週はチャームバーを無効にするチューニングを紹介しましたが、今回はスイッチャー(正式名称は執筆時点で不明ですが、本稿では同呼称を用いています)を無効にしてみましょう。そもそもスイッチャーとは画面の左上隅にマウスポインターを移動させますと、稼働しているWindowsストアアプリのサムネイルが現れ、そのままポインターを下方向に移動させると現れるバーの一つ。デスクトップ型コンピューターなどでWindows 8を使用している場合、同機能はあまり有用ではありませんので、今週はこのスイッチャーを無効にするチューニングをお送りいたします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShell\EdgeUIキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「DisableTLcorner」を作成します。
4. DWORD値「DisableTLcorner」を開いて値のデータを「1」に変更し、<OK>ボタンをクリックします。
5. [F5]キーを押してからレジストリエディターを終了します。

これでチューニングが終了しました(図02~09)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「reedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShellまでキーをたどって開きます

図04 ImmersiveShellキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図05 キー名を「新しいキー #1」から「EdgeUI」に変更します

図06 EdgeUIキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図07 値名を「新しい値 #1」から「DisableTLcorner」に変更します

図08 DWORD値「DisableTLcorner」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図09 操作を終えたら、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

それでは結果を確認してみましょう。適当なWindowsストアアプリを起動した状態で、マウスポインターをディスプレイの左上隅に移動させてください。チューニング前はサムネイルやスイッチャーが現れましたが、チューニング後は何ら反応することはありません。これでマウス操作時に意図せずスイッチャーが現れてしまう問題を解決することができます(図10~12)。

図10 スタート画面のユーザーアイコンをクリックし、メニューから<サインアウト>をクリックして、Windows 8に再サインインします

図11 こちらはチューニング前の状態。マウスポインターを左上隅に移動させますと、Windowsストアアプリのサムネイルが現れます。そのままポインターをした方向に動かすとスイッチャーが開きました

図12 こちらがチューニング後の状態。マウスポインターを同じ場所に移動させても、サムネイルはもちろんスイッチャーも現れません

ちなみにショートカットキーでスイッチャーを呼び出すには、[Win]+[Tab]キーを押してください。使用方法は[Ctrl]+[Tab]キーで呼び出す従来のWindowsフリップと同じです。なお、チューニング前の状態に戻す場合は、DWORD値「DisableTLcorner」のデータ値を「0」に変更するか、同DWORD値自体を削除してください(図13)。

図13 [Win]+[Tab]キーを押しますと、チャームバーが現れます

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus