こんにちは、阿久津です。Vista以前からの機能ですが、Windows OSでは、ウィンドウの最小化や最大化など、様々な操作を行なう際にアニメーション効果が加わります。一般的には各アニメーション効果を無効にすることで、パフォーマンスを向上させるチューニングが可能です。
具体的には、「システムのプロパティ」ダイアログの<詳細設定>タブにある、「パフォーマンス」セクションの<設定>ボタンをクリック。次に表示されたダイアログの<視覚効果>タブにある<ウィンドウを最大化や最小化するときにアニメーションで表示する>にチェックを外して、<OK>ボタンをクリックします。このほかの項目でも「~スライド~」「~アニメーション~」といった項目は、アニメーション効果を付加する設定ですので、パフォーマンスを優先する場合はチェックを外してください(図1)。
これらのアニメーション効果は、Windows XPまでGDI(Graphics Device Interface)+を用いて実現していましたが、Windows VistaではDWM(Desktop Window Manager)によって実現しています。このアニメーション効果ですが、処理が瞬時に終わってしまうため、その内容をしっかり確認することができず、じっくり鑑賞したい場合には都合が良くありません。そこで今回は、ちょっとしたチューニングを行なって、アニメーション効果のスピードを遅くしてみましょう。
- <スタート>メニュー→クイック検索に「regedit」と入力して[Enter]キーを押す。
- HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ DWMまでキーをたどって開く。
- <編集>メニュー→<新規>→<DWORD値>と選択し、名前を「AnimationsShiftKey」に変更する。
- DWORD値「AnimationsShiftKey」をダブルクリックで開き、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリック。
- レジストリエディタを終了し、Windows Vistaを再起動する。
※直接入力の際は、バックスラッシュ(\)前後のスペースを取り除いてください。
これで設定完了です。チューニング結果を確認するため、フリップ3Dを起動してみましょう。[Shift]キーを押しながら矢印キーの上下どちらかと一緒に押しますと、通常ならほぼ瞬時に切り替わるウィンドウが、ゆっくりと動き出します(図2)。
もうひとつの例として、前述した「システムのプロパティ」ダイアログの<詳細設定>タブにある、「パフォーマンス」セクションの<設定>ボタンをクリック。次に表示されたダイアログの<視覚効果>タブにある<ウィンドウを最大化や最小化するときにアニメーションで表示する>にチェックを入れてから、<OK>ボタンをクリックします。
この設定を終えてから、任意のウィンドウがアクティブな状態で、[Shift]キーを押しながら<_(最小化)>ボタンをクリックしてください。すると、通常は1秒未満で最小化するウィンドウが、ゆっくりと最小化していきます。また、その逆の操作として[Shift]キーを押しながらタスクボタンをクリックしますと、アクティブ状態になるまでのアニメーション処理がスムーズに行なわれます(図3)。
ちなみに、元の状態に戻すにはステップ3で作成した「AnimationsShiftKey」を削除するか、データ値を「0」に変更してください。また、ステップ5の操作はコマンドプロンプトを起動し、「net stop uxsms && net start uxsms」とuxsmsサービスを再起動すれば不要です。再ログオンによるスタートアップアプリケーションの読み込みも回避できますので、是非お試しください(図4)。
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)