こんにちは、阿久津です。昨日コンピュータのメンテナンスを行っていたところ、フッと気になるフォルダを見つけました。それは、%LOCALAPPDATA%フォルダの中身です。そもそも%APPDATA%フォルダはWindows Vistaから導入された仕組みのひとつ。環境に合わせて三つのサブフォルダを使い分けています。
ドメイン環境などで使用する移動プロファイルに含まれず、コンピュータ固有もしくはファイルサイズが非常に大きいデータを、LocalフォルダーおよびLocalLowフォルダに格納します。一方でユーザー辞書のように、コンピュータから独立していると同時に移動プロファイルに含めるデータは、Roamingフォルダに格納するという仕組み。
なお、LocalフォルダとLocalLowフォルダの差異は、セキュリティ強化の一環としてintegrity level(信頼レベル)という仕組みを用意し、そのなかのlow integrityとして動作するプロセス(ソフトウェア)の書き込みは、LocalLowフォルダーに限定されます。より詳しく知りたい方はTechNetの記事やMSDNの記事をご覧ください。
このように三者三様の役割を持つサブフォルダですが、アンインストーラーのなかには実行時に生成するユーザーファイルを削除せず、そのまま残されている場合が少なくありません。そのため、メンテナンスの一環として各サブフォルダの内容を確認し、既に削除済みのソフトウェアが参照していたであろうフォルダを削除しなければならないのです。
少し前振りが長くなりましたが、冒頭の気になるフォルダを発見したのが、環境変数「LOCALAPPDATA」で定義されているLocalフォルダです。同フォルダをエクスプローラーで開きますと、クラスIDを名前に持つ複数のサブフォルダが生成されていました(図01~02)。
サブフォルダのタイムスタンプを確認しても、すべてバラバラ。同様の現象が発生していないか、ほかのWindows 7マシンを確認してみましたが、いずれも問題なし。各クラスIDはランダムに生成される一意的なものらしく、ネット上の検索にも引っかかりません。
海外のBBSをあれこれと探し回って見たところ、Windows OSの修正プログラムを実行したときの残骸という情報を見つけましたが、検証しても結果は変わらず。本来であれば、修正プログラムは環境変数「TEMP」で指定されたフォルダ上で実行されますが、何らかの理由で同変数を取得できず、先の現象が発生したのでしょう。もっとも、ほかのマシンも環境変数は変更していないため、異なるトリガーで発生するのかもしれません。
筆者は不要なフォルダが残されていることに生理的嫌悪を覚えるタイプですので、各サブフォルダをまとめて削除しましたが、心配な方は一度任意のフォルダに待避させ、一週間程度の様子を見てから削除することをお勧めします(図03~04)。
さて、Microsoftが運営するオンラインストレージ「SkyDrive」では、Microsoft OfficeシリーズのWebApp版が使用可能です。基本的にはWebブラウザでアクセスするだけで使用可能ですが、Windows 7の操作から同Webページにアクセスできると便利ではないでしょうか。そこで今回は、<新規作成>メニューからSkyDriveのWebAppにアクセスするチューニングをお届けします。
1.管理者権限で「regedit」を実行します。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\SkyDrive.Excelキーを作成します。
3.同キーの「(既定値)」を開き、データ値を「SkyDrive.Excel」に変更します。
4.続いてHKEY_CLASSES_ROOT\SkyDrive.Excel\shell\open\commandキーを作成します。
5.commandキーを開いて既定値のデータ値を「https://skydrive.live.com/newlivedocument」に変更します。
6.続いて、HKEY_CLASSES_ROOT\SkyDrive.Excel\DefaultIconキーを作成します。
7.HKEY_CLASSES_ROOT\.SkyDrive.Excelキーを作成します。
8.同キーの「(既定値)」を開き、データ値を「SkyDrive.Excel」に変更します。
9.HKEY_CLASSES_ROOT\.SkyDrive.Excel\ShellNewキーを作成します。
10.ShellNewキー内に文字列値「NullFile」を作成します。
11.ShellNewキー内に文字列値「command」を作成します。
12.文字列値「command」のデータ値を「"%ProgramFiles%\Internet Explorer\iexplore.exe" https://skydrive.live.com/newlivedocument?xt=xlsx」に変更します。
13.[F5]キーを押してからレジストリエディターを終了させます。
これでチューニングが終了しました(図05~28)。
図15: commandキーの「(既定)」をダブルクリックし、値のデータを「https://skydrive.live.com/newlivedocument」に変更して<OK>ボタンをクリックします |
図27: 文字列値「command」をダブルクリックし、値のデータを「"%ProgramFiles%\Internet Explorer\iexplore.exe" https://skydrive.live.com/newlivedocument?xt=xlsx」に変更して<OK>ボタンをクリックします |
早速結果を確認してみましょう。デスクトップのコンテキストメニューにある<新規作成>に<SkyDrive.Excel>という項目が追加されているはずです。同項目をクリックしてみましょう。これでInternet Explorerが起動し、SkyDrive上のWebApp新規作成ページが開きます。なお、Windows Live ID未ログオンの場合、サインアップページが現れますので、そのままサインインしてください(図29~31)。
WebAppの使用はランチャーというよりも従来の新規作成に感覚が近いため、今回はDesktopBackgroundキーではなく、ShellNewを用いました。また、本手順は冗長なため、レジストリファイルを用意しました。こちらはWordやPowerPointなど各WebAppを参照可能にしてあります。不要なWebAppがある場合はレジストリファイルから不要なエントリを削除してください。ちなみに、ご自身でアイコンを用意できる場合は、DefaultIconキーの既定値から参照させることで見栄えも良くなります(図32~33)。
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)