こんにちは、阿久津です。Windows 7はジャンプリストという新たに機能を加えることで、アプリケーションからファイルを開く操作の幅を広げました。各方法を列挙しますと、従来の関連付けから始まり、"プログラムから開く"や"送る"が用意されたコンテキストメニュー、前述のジャンプリストなど盛りだくさんです。
それでも以前からWindows OSを使っていますと、新しい機能よりも旧来の機能をついつい使ってしまうのではないでしょうか。かく言う筆者も未だに<送る>メニューを使用する場面が多いのですが、最近気になることがあります。それが、<送る>メニューを開いた時の遅延。
以前の連載でも書いたように<送る>メニューにアクセスしますと、実体である「%appdata% \ Microsoft \ Windows \ SendTo」フォルダーへアクセスするため、若干の遅延が発生します。ここで読み込まれたショートカットファイルの情報はキャッシュされますが、複数の大型アプリケーションを併用している際はキャッシュが破棄され、再読み込みが発生するようになりました。
この問題は使用しているアプリケーションとコンピューターの環境に左右されるものなので、物理メモリを増設するかアプリケーションのチューニングを施すことで回避可能です。
その一方で気になるのが、アプリケーション導入時に自動生成されるショートカットファイル。筆者の環境ではEvernoteやSkypeのショートカットファイルが作成されています。もちろんSendToフォルダーを開いて削除すれば済む話ですが、各アプリケーションがバージョンアップするたびに、ショートカットファイルを生成するため、微々たる手間が発生してしまいます(図01)。
例えばテキストエディターとして秀丸を使用している場合、ショートカットファイル名を「Hidemaru」にリネームすることで、対象となるファイルを右クリック→[N]キー→[H]キーと操作するだけで開くことが可能ですが、同様の頭文字を持つショートカットファイルが生成されてしまうと、前述のショートカット操作はできなくなってしまいます。
ユーザーの使用スタイルを大きく左右する<送る>メニューの構成は、自身の運用ポリシーに沿って"決め打ち"してしまう方が使い勝手も良くなるのではないでしょうか。そこで今回は、SendToフォルダーへの書き込み制限を設けて、ショートカットファイルの自動生成を抑制するチューニングを紹介しましょう。以下の手順は管理者権限で実行してください。
1.「shell:SendTo」などを実行して、SendToフォルダーを開きます。
2.SendToフォルダーから不要なショートカットファイルを削除します。
3.親フォルダーに移動し、SendToフォルダーのプロパティダイアログを開きます。
4.<セキュリティ>タブからAdministratorsグループのアクセス権を編集します。
5.同グループの<ファイルの作成/データの書き込み>を拒否します。
これでチューニングが終了しました(図02~12)。
早速結果を確認してみましょう。SendToフォルダー内のファイル作成が禁止されましたので、ショートカットファイルのドラッグ&ドロップによるコピーは実行できなくなりました。また、セットアップ時にショートカットファイルを生成するアプリケーションも警告メッセージを発するようになります(図13~15)。
これでいつのまにか<送る>メニューにショートカットファイルが追加されるといったトラブルは回避できるようになりました。なお、元の状態に戻すには先の手順で作成した拒否エントリを削除するだけです。筆者のように<送る>メニューを多用される方は、本チューニングをお試しください(図16)。
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)