こんにちは、阿久津です。既に本誌でも報じているように、Windows 7ベータ版が一般(カスタマプレビュープログラムとして)公開されました。筆者も早速数台に導入してみましたが、Windows Vistaをベースに改良を加えただけに完成度も高く、ベータ版ながら非業務用PCであれば十分実用に耐えうるのではと感じた次第です。
もちろん日常用いるアプリケーションをあれこれと導入することで、細かい不具合に出会うこともあるかも知れませんが、それらのトラブルも楽しめるユーザーであれば、試用する価値は十分。リリース時期はともかく、確実にRTM(製造工程向けリリース版)は2009年内に姿を見せると思われるため、今のウチからWindows 7に慣れておいても損はないでしょう。新しもの好きの方は是非お試しください。
さて、Windows Vistaでは従来のWindows OSと同じく、デスクトップに表示させる特殊アイコンを取捨選択することが可能です。しかし、「デスクトップアイコンの設定」ダイアログから選択できるのは、ごみ箱やユーザーフォルダなど。IE(Internet Explorer)は選択肢から除外されました。プログラムメニューなどからコピーして使うことも可能ですが、ショートカットアイコンになってしまうため、特殊アイコンとして使い勝手が悪くなってしまいます(図1)。
この仕様変更はデスクトップ領域を広く活用し、クイック起動やスタートメニューのよく使うプログラムを使用するように仕向けたものかも知れません。しかし、以前からWindows OSを使っているユーザーにとって、デスクトップにIEアイコンがないことに違和感を覚える方もおられることでしょう。そこで今回のチューニングでは、レジストリエントリを作成し、デスクトップにIEアイコンを追加してみます。
- <スタート>メニュー→クイック検索に「regedit」と入力して[Enter]キーを押す。
- レジストリエディタが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ HideDesktopIcons \ NewStartPanelまでキーをたどって開く(存在しないキーは作成する)。
- 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>を選択する。
- ステップ03で作成したDWORD値の名前を「{871C5380-42A0-1069-A2EA-08002B30309D}」に変更する。
- [F5]キーを押して設定内容をシステムに反映させてから、レジストリエディタを終了する。
※直接入力の際は、バックスラッシュ(\)前後のスペースを取り除いてください。
これで設定完了です。デスクトップの何もないところを一度クリックしてから、[F5]キーを押してデスクトップの表示を更新すれば、IEアイコンが表示されます(図2)。
ポイントとなるのは、IEアイコンに割り当てられたクラスID「{871C5380-42A0-1069-A2EA-08002B30309D}」。このクラスIDを、デスクトップへ特殊アイコンの表示・非表示を管理するHKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ HideDesktopIcons \ NewStartPanelキーに作成することでチューニングを実現しています。
クラスIDを用いたDWORD値のデータ値が「0」の場合は表示、「1」の場合は非表示となりますので、必要に応じて切り替えてください。また、その他の特殊フォルダもクラスIDで制御可能です。大半は「デスクトップアイコンの設定」ダイアログで制御できるため、メリットは少ないですが、レジストリから設定した方が便利な場合にご活用ください(表1)。
■表3: NewStartPanelキーで作成できる特殊アイコン | |
クラスID | 内容 |
{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D} | コンピュータ |
{4336a54d-038b-4685-ab02-99bb52d3fb8b} | パブリックフォルダ |
{5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0} | コントロールパネル |
{59031a47-3f72-44a7-89c5-5595fe6b30ee} | ユーザーフォルダ |
{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E} | ごみ箱 |
{871C5380-42A0-1069-A2EA-08002B30309D} | IE |
{F02C1A0D-BE21-4350-88B0-7367FC96EF3C} | ネットワーク |
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)