こんにちは、阿久津です。既に各メディアで報じられているように、Windows 7 Service Pack 1が来週23日にリリースされます(MSDN/TechNetなどは17日から)。元々は米国時間の9日、実質的にMicrosoftの公式ブログである「The Windows Blog」の記事として発表された情報ですが、米Microsoft本社のプレスリリースには掲載されていません。
しかし、その一方で日本マイクロソフトのサイトを探ってみますと、10日時点でプレスリリースを発表し、Service Pack 1のダウンロードに対する説明サイトも設置されていました。
個人的に気になるのは、Service Pack 1が、以前寄稿した記事で述べたリーク版と同じか否かという点。前述したThe Windows Blogの記事では、Microsoftの開発者がコメント欄で「7601.17514.101119-1850」と述べています。実際の検証は先送りになりますが、正式版とリーク版と同等ということになりました。
一般的にはService Pack 1の内容に関心を集めるかと思いますが、昨年寄稿した記事でも述べたように、Windows Server 2008 R2向け機能である「Dynamic Memory」「RemoteFX」の機能強化に集約され、Windows 7向けの機能強化は含まれておりません。つまり、Windows 7 Service Pack 1は、これまでリリースされた修正プログラムや、LDR(Limited Distribution Release)として一部に向けて公開された修正プログラムをまとめたバグフィックスとなります。
そのため、定期的にWindows Update経由で配布される修正プログラムを適用し、問題なく運用できた環境であれば、そのままService Pack 1を適用しても、トラブルに見舞われる可能性は低いでしょう。しかし、企業などOSがクリティカルな役割を担い、検証を終えるまでバージョンアップを控えたいケースもないわけではありません。そこで今回はService Packの適用をブロックするチューニングをお送りしましょう。
1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Policies \ Microsoft \ Windows \ WindowsUpdateキーまでたどって開きます(ない場合は作成します)。
3.右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択して、値名を「DoNotAllowSP」に変更します。
4.DWORD値「DoNotAllowSP」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします。
5.<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させたら、<スタート>メニューの電源ボタンから<再起動>を選択し、コンピューターを再起動します。
これでチューニングが終了しました(図01~09)。
早速、結果を確認……と言いたいところですが、執筆時点ではService Packが公開されていませんので、来週の23日に皆さんの環境で検証してください。ちなみに、ステップ03で作成したDWORD値「DoNotAllowSP」は、Windows Vistaなどでも適用できたチューニングです。システムに大きな悪影響を与えることはありませんので安心してください。
なお、本チューニングが適用されるのは、Service Pack 1リリースから約1年。つまりDWORD値「DoNotAllowSP」を作成しても、2012年2月中旬以降は、Windows UpdateにService Packが並ぶようになります。また、Windows Update経由での適用が必要なった場合は、同値のデータ値を「0」にするか、エントリ自体を削除してください。
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)