こんにちは、阿久津です。本連載は火曜日に執筆し、基本的に水曜の掲載日を迎えるという流れで長年執筆してきました。そして本稿を執筆しているのは勤労感謝の日。そもそもこの祝日は「勤労を、生産を祝い、国民互いに感謝感謝しあう」と国の法令で定められています。

正直なところ筆者ものんびりと休日を楽しみたいところですが、このような生業は"皆が休む時に働く"のが通例となりますので、テレビで「祝日、祝日」と連呼されても、家族が「休みだから……」と言っても、コンピュータの前でキーボードを叩く日々を送らなければなりません。因果な商売です。

さて、先の勤労感謝を踏まえますと、普段から酷使しているコンピュータにも目を向けてみるのも一興ではないでしょうか。Windows 7を目の前にして勤労感謝と連想しますと、電源管理を思いつきますが、コンピュータは一般的な家電と異なります。例えばHDDは常に通電し、モータ部分は駆動し続けた方が安定しますが、その分消費電力も増すため、ご家庭でコンピュータを使用する場合、現実的ではありません。

そのため、Windows 7には、アイドル時に移行するスリープモードや休止状態(ハイバネーション)といった機能が重要視されるようになりましたが、<スタート>メニューに並ぶ電源ボタンはユーザーの使用スタイルによって、「タスクバーと[スタート]メニューのプロパティ」ダイアログの<[スタート]メニュー>タブからカスタマイズすることが可能です。

しかし、コンピュータの運用ポリシーから、この電源ボタンの優先項目を固定化したくなる場合もあるでしょう。そこで、そこで今回は、レジストリから電源ボタンの優先項目を固定化するチューニングをお送りしましょう。

1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Policies \ Microsoft \ Windows \ Explorerキーまでたどって開きます(ない場合は作成します)。
3.右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択。名前を「PowerButtonAction」に変更します。
4.DWORD値「PowerButtonAction」をダブルクリックで開き、<10進数>を選択してから値のデータを「256」に変更して<OK>ボタンをクリックします。
5.レジストリエディターを終了させ、Windows 7へ再ログオンしてください。

これでチューニングが終了しました(図01~09)。

図01: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図02: レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Policies \ Microsoft \ Windowsキーまでたどって開き、同キーを右クリックします

図03: Windowsキーを選択した状態で、<編集>メニューから<新規>→<キー>と選択します

図04: キー名を「新しいキー #1」から「Explorer」に変更します

図05: Explorerキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックします。メニューから<新規>→<DWORD値>と選択してください

図06: エントリ名を「新しい値 #1」から「PowerButtonAction」に変更します

図07: DWORD値「PowerButtonAction」をダブルクリックで開き、<10進数>をクリックしてから値のデータを「256」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08: <×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了します

図09: <スタート>メニューの電源ボタンからメニューを呼び出し、<ログオフ>を選択してWindows 7に再ログオンします

早速結果を確認してみましょう。<スタート>メニューを開くと電源ボタンの優先項目が<ユーザーの切り替え>に変更されました。チューニングポイントはステップ04で設定するデータ値。先の手順では「256」と設定したため優先項目が<ユーザーの切り替え>になりましたが、<ログオフ>ならば「1」、<シャットダウン>なら「2」に変更してください。ほかの項目と連動する数値は下記のとおりとなります(図10、表01)。

図10: <スタート>メニューの電源ボタンに割り当てられていた優先項目が、既存の状態から<ユーザーの切り替え>に変更されました

■表01
DWORD値「PowerButtonAction」で設定するデータ値
1 ログオフ
2 シャットダウン
4 再起動
16 スリープ
64 休止状態
256 ユーザーの切り替え
512 ロック

また、「タスクバーと[スタート]メニューのプロパティ」ダイアログの<[スタート]メニュー>タブで設定する「電源ボタンの操作」が変更できなくなります(図11~12)。

図11: <スタート>メニューの何もないところを右クリックし、メニューから<プロパティ>をクリックします

図12: <[スタート]メニュー>タブが開いた状態で「タスクバーと[スタート]メニューのプロパティ」ダイアログが起動します。しかし、「電源ボタンの操作」がグレーアウトし、優先項目を選択できなくなります

このロジックを逆手にとって、ほかのユーザーに対しても電源ボタンの優先項目を強制する場合は、HKEY_CURRENT_USER~ではなく、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Policies \ Microsoft \ Windows \ ExplorerキーにDWORD値「PowerButtonAction」を作成しましょう。

ちなみに、各ユーザーが持つ電源ボタンの優先項目は、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Advancedキーに格納されたDWORD値「Start_PowerButtonAction」で管理されています。設定するデータ値は前述の表01が使用できますので、そちらを元にWindows 7導入後のカスタマイズにお役立てください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)