こんにちは。阿久津です。さて、Windows OSでは起動時にWindowsロゴと起動状態を示すプログレスバーを表示してきました。この慣習はWindows XPで終了し、Windows Vistaはプログレスバーのみという寂しいものです(図1)。ただ、起動を終え、Robert Fripp(キングクリムゾン)が作曲したスタートアップサウンド再生時には、Windowsフラッグをモチーフにした丸いロゴが表示されるため、これを強調するために起動時はプログレスバーのみ表示する仕様にしたのかも知れません。
少々気になり、Windows Vistaベータ版の起動画面も調べてみますと、開発コード名で呼ばれていたLonghorn(ロングホーン)時代は、Windows XPと同じく黒バックにLonghornの文字。Windows Vistaの初期ベータの頃は標準的テーマとなるオーロラ風の壁紙をバックに、Windows Vistaのロゴが表示表示されていました。
前述のとおり、Windows Vistaの起動時は黒バックにプログレスバーのみ。この原稿を書きながら、「ロゴを表示することで何らかのパフォーマンスダウンが発生しているため、取り除いたのでは?」と思いましたが、コンピュータのロジックを踏まえるとおかしな話です。そもそも、このような推測が通るのであれば、Windows 95時代から同様の仕様に切り替わっていたことでしょう。
そこで思い出すのが、Windows XPのNOGUIオプションです。XPでは、boot.iniの起動項目に「/NOGUI」を加えることで、起動ロゴおよびプログレスバーを非表示にし、若干の高速化を試みるというチューニングがありました。実はWindows Vistaにも同様のオプションが用意されています。そこで今号では、VistaのNOGUIオプションによるチューニング手順を紹介しましょう。
- <スタート>メニュー→クイック検索に「msconfig」と入力して[Enter]キーを押す。
- システム構成が起動したら、<ブート>タブをクリックして開き、<GUIブートなし>をクリックしてチェックを入れます。
- <OK>ボタンをクリックし、Windows Vistaを再起動します。
これで設定完了です。これで起動時のプログレスバーが消え、オーロラ風の壁紙をモチーフにした画像と、「Windows Vistaを起動中」のメッセージのみ表示されるようになります(図2)。
果たしてスピードアップできたのか、起動時間を測定してみました。囲みにあるマシン上でVMware Workstationを起動し、仮想環境のWindows Vista SP1を起動。BIOSの初期化からスタートアップサウンド再生後に、ログオン画面が表示されるまでの時間を3回測定した平均値を掲載しています。
ベンチマーク環境 [CPU] Core2Quad Q8550 [M/B] Gigabyte EP45-UD3P [メモリ] 8GB [HDD] ST3500320AS [OS] Windows Vista SP1 [Software] VMware Workstation 6.5.1
結果を見ると誤差の範囲内かもしれませんが、1秒ほどの時間短縮に成功しました。起動時のオーロラ風壁紙はWindows AEROが有効な環境ではアニメーション処理が加わるため、Windows XPのようにはスピードアップしないのかも知れません。
■Windows Vistaの起動時間 | |
標準 | 約41.53秒 |
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GUIなし | 約39.37秒 |
それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)