Windows 8.1には、Windows Updateやデフラグといった自動メンテナンス機能が用意されている。本来であれば深夜に実行する仕組みだが、朝、会社に行ってPCの電源を入れたら自動メンテナンスが稼働し、作業の邪魔になった経験を持つ方も少なくないだろう。今回は自動メンテナンスの時間タイミングを変更する。
自動メンテナンスとは
Windows 8から搭載し、Windows 8.1にも引き継がれた自動メンテナンスには、以下のような処理がある。セキュリティ更新プログラムのインストール、Windows Defenderによるマルウェアのスキャンやパターンファイル更新、デフラグ、システムの診断といったアクションだ。
具体的なアクションを明示できないのは、自動メンテナンスを実行するタスク「Regular Maintenance」の内容が、「カスタムハンドラー」と示されているからだ。こちらの正しい名称は「Custom COM Handler」である。調べたところ、「%SystemRoot%\System32\msched.dll」ファイルを呼び出していることを確認したが、どのアクションを呼び出しているかまでは分からなかった。
「msched.dll」を呼び出すタスクは「タスクスケジューラライブラリ\Microsoft\Windows\TaskScheduler」に「Regular Maintenance」として登録されている |
実行タイミングを変更する
PCをスリープ状態にしていると夜半に起動し、あれこれと作業が行われていることを不信に感じたことがあるかもしれない。これは、自動メンテナンスを開始する時間の初期値が、午前3時に設定されているからだ。
一般的にPCを使わない時間帯だからこそ、特に大きな問題にはならないものの、PCを設置した部屋で就寝する場合、PCが発するファンの風切り音やHDDのカリカリといった音が気になることもある。このような場合は、自動メンテナンスの開始タイミングを適切な時間帯に変更するとよい。
ドロップダウンリストから選択できるのは、0時から23時までの24時間単位だ。自宅のPCであれば、使い終えた1時間後くらいに設定するといいだろう。会社によってはサインイン/サインアウト時刻を出勤簿に利用する場合もあるが、自動メンテナンスはサインインの有無に限らず実行するため、やはり使用していない時間帯を選択するとよい。
自動メンテナンスを止める
先ほどの「アクションセンター」をご覧になると分かるように、「メンテナンスの開始」をクリック/タップすることで、メンテナンスを手動実行できる。自身が使わない時間帯にPCが稼働するのは好ましくないと考える方は、以下の手順で自動メンテナンスを無効にするといいだろう。
「タスクスケジューラ」が起動したら、「タスクスケジューラライブラリ」→「Microsoft」→「Windows」→「TaskScheduler」とクリック/タップして展開して、「Regular Maintenance」をダブルクリック/タップする |
これでスケジュールによる自動メンテナンスは無効になる。アイドル時(PCを使わずに一定時間過ぎた状態)の自動メンテナンスも、実行されない。
好きな場面に好きなようにPCを使えるようにはなるが、更新プログラムのチェックと適用、デフラグ、Windows Defenderによるマルウェアのチェックなど、個別に手動実行するか、前述の「メンテナンスの開始」を手動で行う必要が生じる。この点に注意したうえで、自動メンテナンスを無効化するかしないかを判断してほしい。
阿久津良和(Cactus)