ペーパーレス化が進む現在でも、プリンターによる印刷はPCに欠かせないアクションの1つである。Windows 7以降、プリンターの管理は「デバイスとプリンター」に移動し、使いにくい側面が生まれてしまった。今回はWindows 8.1上でプリンターを素早く開く手順を紹介する。
「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。
「デバイスステージ」とは
Windows 7はデバイス管理を強化し、それまで「デバイスマネージャー」や「プリンター」「モデム」といった個別の管理から、「デバイスとプリンター」という一括管理に変更した。
さらに、デバイスに対するアクションや、ベンダーのWebページに対するリンクを自由にデザインできる「デバイスステージ」を追加。これらの機能によって、Windows上でデバイスが視覚化されたのは単純に評価できる。
プリンターはトナー切れインク切れ、紙詰まりといったトラブルがなければ、Windows XP以前の極めてシンプルなウィンドウで十分な場合が多い。しかし、肝心のウィンドウを呼び出す方法は、「デバイスとプリンター」の追加で冗長になってしまった。
「デバイスとプリンター」から開く
まずは「デバイスとプリンター」から開く手順から紹介しよう。「Win」+「X」キーで開くクイックアクセスメニューなどからコントロールパネルを呼び出し、「デバイスとプリンター」を直接ダブルクリック/タップする(すべてのコントロールパネル項目を表示している場合)。コントロールパネルがカテゴリ表示の場合は、「デバイスとプリンターの表示」をクリック/タップすればよい。
後は、ウィンドウを参照したいプリンターを開き、デバイスステージに並ぶ「印刷ジョブの表示」を選択すれば、目的のウィンドウが表示される。
デバイスステージの各項目は、ショートカットファイルを作成できる。項目をデスクトップなどにドラッグ&ドロップし、直接ウィンドウを開くショートカットファイルを用意しておくと便利だ。
旧来の「プリンター」ウィンドウを開く
Windows XP時代の「プリンター」ウィンドウに懐かしさを感じる方もおられるだろう。実はWindows 8.1でも、「プリンター」ウィンドウを呼び出すことができる。
コマンドラインから「explorer.exe shell:::{2227A280-3AEA-1069-A2DE-08002B30309D}」を実行するだけでよい。こちらのGUIDはプリンターに割り当てられたクラスIDだ。
「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「explorer.exe shell:::{2227A280-3AEA-1069-A2DE-08002B30309D}」と入力。「OK」ボタンをクリック/タップする |
別のクラスID「{863aa9fd-42df-457b-8e4d-0de1b8015c60}」も使用できる。前者はプリンター、後者はリモートプリンターを対象にしているものの、結果は一緒のため、どちらを使っても構わない。
なお、クラスIDを頻繁に入力するのは現実的ではないので、アドレスバーのアイコンをデスクトップやナビゲーションウィンドウの「お気に入り」にドラッグ&ドロップし、ショートカットファイル(リンク)を作成すると参照しやすくなる。
プリンターのウィンドウを直接開く
最後は直接ウィンドウを開く方法だ。今回はプリンター設定UIを担う「printui.dll」を使用する。このDLLファイルにはPrintUIEntryというAPIが含まれており、「rundll32」コマンドを使って実行する仕組みだ。
最初に対象となるプリンター名を必要とするため、先の手順を参考に「プリンター」で対象となるプリンターの名前をクリップボードにコピーする。
「ファイル名を指定して実行」に「rundll32.exe printui.dll,PrintUIEntry /o /n」と入力し、コピーしたプリンター名をペースト。続いてプリンター名をダブルコーテーションで囲む。今回の例なら「rundll32.exe printui.dll,PrintUIEntry /o /n "Brother HL-2270DW series"」となる。
「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「rundll32.exe printui.dll,PrintUIEntry /o /n "{プリンター名}"」と入力して「OK」ボタンをクリック/タップする |
こちらも常に入力するのは面倒なため、ショートカットファイルを作成した方が便利だろう。
阿久津良和(Cactus)