Windows Vistaから大きく変化した「パフォーマンスモニター」だが、注目すべきはシステムパフォーマンスやOSの健康状態を分かりやすく示すようになった点である。今回はシステムパフォーマンスレポートのチェックポイントや、「Windows Performance Toolkit」を併用する方法について説明する。
「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。
システムパフォーマンスレポートのチェックポイント
前回も述べたように、システムパフォーマンスレポートの大きなチェックポイントは「パフォーマンス」だ。PCを使っていて「何となく遅い」と感じるようになった場合、この「状態」を見れば、CPU/ネットワーク/ディスク/メモリのいずれかに問題が発生しているか確認できる(もちろんそれ以外が原因の場合もある)。
例えば、PCに搭載している物理メモリーが足りなく、仮想メモリーを多用している場合、「メモリ」のアイコンが黄色や赤色に変化するはずだ。ストレージデバイスに何らかの負荷がかかり過ぎるような場合も、「状態」が参考になる。
「CPU」や「ネットワーク」を展開すれば、測定時に使用していたプロセスやネットワークトラフィックを個別に確認できる。ただ、パフォーマンスモニターはシステム管理者向けツールなので、エンドユーザーには難しく、参考にならないケースもあるだろう。
「Windows Performance Toolkit」を使用する
そこで併用したいのが、「Windows Performance Toolkit」(以下、WPT)である。WPTは単独で配布されておらず、Windows SDK(ソフトウェア開発キット)やADK(アセスメント&デプロイメントキット)に含まれているので、これらのインストールが必要だ。
少々冗長になるが、こちらからファイルをダウンロードし、下記に示した手順を実行してほしい。
レポート結果を視覚化する
それでは、WPTに含まれるアナライザーを起動しよう。アプリビューや検索チャームなどから「Windows Performance Analyzer」(以下、WPA)を選択し、システムパフォーマンスレポートで作成したETLファイルを開く。
通常は「%SystemDrive%\PerfLogs\System\Performance{コンピューター名}_{日付}-{連番}」とフォルダーをたどっていくが、アクセス権の関係で下図のような確認を求められる。その際は「続行」ボタンをクリックしてETLファイルを選択してほしい。
するとレポート結果がグラフで示されるようになる。左ペインの「System Activity」や「Storage」をクリック/タップすれば、サブ項目が現れる仕組みだ。グラフ部分をダブルクリックすることで、数値の羅列だったレポート内容にグラフを加えたウィンドウが現れる。
WPAは開発者向けツールのため、エンドユーザーには冗長となる情報が多い。だが、グラフが加わることで視認性も高まり、PCでボトルネックとなっている箇所が分かりやすくなるはずだ。パフォーマンスに関するトラブルシューティングの一助として使ってほしい。
阿久津良和(Cactus)