まもなく登場するWindows 10にアップグレードする方もいれば、しばらく様子を見る方もおられるだろう。そこで大事になるのが既存のWindows 8.1環境である。単純にドライブ全体のイメージバックアップを作成してもよいが、今回はカスタム復元イメージファイルを作成し、Windows 10のアップグレードに備えよう。
カスタム回復イメージとは
Windows 8.1は「PC設定」の「保守と管理」-「回復」から、リフレッシュやWindowsの再インストールを実行する仕組みを用意しているが、この際に用いるのが回復イメージだ。主に「install.esd」や「install.wim」といったファイルを利用する。
しかし、ユーザーカスタマイズの結果やデスクトップアプリを破棄してしまうため、バックアップ・復元という観点からは役に立たない。そこで登場するのが、今の状態を保持したカスタム回復イメージだ。現在の状態を確認するには「reagentc /info」コマンドを実行すればよい。下図は操作を行う前の状態だ。
パーティションを用意する
カスタム回復イメージを作成するには、専用のパーティションを用意した方が扱いも簡単になる。「ディスクの管理」にある「ボリュームの縮小」などで10GBほどの空き容量を確保しよう。厳密には4GB程度で十分だが、今回はきりのよい数字を選んだ。
空き容量を確保したらNTFS形式でボリュームを作成する。こちらはウィザード形式で進むため、特に難しい操作はない。
カスタム回復イメージを作成する
カスタム回復イメージの作成は、管理者権限を持つコマンドプロンプトから実行する。先ほど起動したコマンドプロンプトをそのまま利用し、「recimg /createimage e:」と実行しよう。図版中、Eドライブの部分はお使いの環境に合わせて変更してほしい。
プロンプトに「recimg /createimage e:」と入力して[Enter]キーを押す。これでEドライブに対してカスタム回復イメージの作成が始まる。完了まで時間がかかるので、この間は離席しても構わない |
30分ほど待つとイメージの書き込みが完了し、約4GBのカスタムイメージ回復ファイルが完成する。
カスタム回復イメージを確認する
最後に結果を確認しよう。先ほど紹介した「reagentc」コマンドを実行すると、先ほどまでは空だった「カスタムイメージの場所」「カスタムイメージインデックス」に情報が加わっているはずだ。これでカスタム回復イメージの作成は完了となる。次回、作成したカスタム回復イメージの使い方を紹介しよう。
阿久津良和(Cactus)