自宅や会社で複数のPCを使っているとき、ネットワーク共有機能は欠かせない。多少のネットワーク知識を必要とするため、今回は、Windows 8.1の共有フォルダーを利用するために必要な情報を紹介する。

ネットワーク上のPCを確認する

ネットワーク関連の話題は、PCにまつわる技術のなかでも難しい部類に入り、敬遠されがちだ。しかし、複数のPCを効率的に動かしつつ、1台のPCから情報を参照するのであれば、必要不可欠な機能となる。そこで最初に確認すべきは、ネットワーク内にどのようなPCが存在するかだ。こちらはGUIとCUI、2つの方法がある。

エクスプローラーのナビゲーションウィンドウにある「ネットワーク」をクリック/タップすると、LAN内のPCやUPnPデバイスなどが現れる

「Win」+「X」キーを押してクイックアクセスメニューを開き、「C」キーを押すか「コマンドプロンプト」をクリック/タップする

続いて「net view」と入力して「Enter」キーを押す。同じように各PC名がコメント付きで示される

本来ならネットワーク内の全PCが並び立つが、実行タイミングによっては、いくつかのPCが現れないケースも少なくない。これは「ネットワーク探索」による情報収集を終えていないからだ。ネットワーク探索は、NetBIOSによるコンピューターブラウザーサービス、UPnP、SSDP(Simple Service Discovery Protocol)探索などを通じて情報収集を行う。よって、PCを起動した直後などは、情報を収集し終えていないケースもある。

「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「control /name Microsoft.NetworkAndSharingCenter」と入力して、「OK」ボタンをクリック/タップする

「ネットワークと共有センター」が起動したら、ナビゲーションウィンドウの「共有の詳細設定の変更」をクリック/タップする

「プライベート」の「ネットワーク探索を有効にする」をクリック/タップで選択し、「変更の保存」ボタンをクリック/タップする

「ネットワーク探索」を確認する

何らかの理由でネットワーク探索が無効になっている場合は、上図の手順で有効にしておこう。なお、ネットワーク探索が使用するプロトコルは「セキュリティが強化されたWindowsファイアウォール(wf.msc)」で確認可能だ。下図は「受信の規制」のグループを「ネットワーク探索」でフィルタリングしたものだが、前述したNetBIOS(NB)などが並んでいることが見て取れるはずだ。

「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「wf.msc」と入力して、「OK」ボタンをクリック/タップする

「セキュリティが強化されたWindowsファイアウォール」が起動したら、操作ウィンドウで「プロファイルでフィルター」→「プライベートプロファイルでフィルター」と順にクリック/タップ。続いて「グループでフィルター」→「ネットワーク探索でフィルター」と順にクリック/タップする

ネットワーク探索機能が使用するプロトコルの一部。PC同士は数多くのプロトコルを用いて互いの接続を確認している

さらに最初のエクスプローラーを詳細表示に切り替え、列として「探索方法」を有効にすると、ネットワーク探索がどのように各PCを検出しているか確認することが可能だ。下図ではNetBIOSの他にWSD(Web Service on Devices)を用いているケースが見つかる。

列の間を右クリック/長押しし、メニューの「探索方法」をクリック/タップして探索方法を表示し、「Ctrl」+「Shift」+「6」キーを押すなどして詳細表示モードに切り替える。ちなみにSSDPはUPnPデバイスを探索するプロトコルだ

WSDはWeb経由でデバイス管理を行うルーターやプリンターなどに用いられるが、Windows 7をインストールしたPCやWindows 8.1 PCもWSD経由で探索しているため、多様な方法で互いの存在を探索・認識していることが分かるだろう。

マスターブラウザの確認方法

なお、NetBIOSは各PCの登録を行う「マスターブラウザー」と呼ばれるサーバーが存在し、そこで生成したブラウズリストを元に、各PCはネットワーク上のPCを判断している。そのため、マスターブラウザーは常に稼働しているPCが担うべきだが、クライアント/サーバーOSが混合する場合、上位のOSへ役割が移ってしまう。

NetBIOS自体は枯れた技術のため、残念ながらWindows Vista以降はメンテナンスされておらず、マスターブラウザーを直接見付けるコマンドは用意されなくなった。前述した「net view」コマンドなどで各PC名を確認し、「nbtstat -a {PC名}」と実行して「..__MSBROWSE__.<01> グループ 登録済」と示された場合、そのPCがマスターブラウザーだ。

「nbtstat -a {PC名}」と入力して「Enter」キーを押し、テーブルに「__MSBROWSE__~」があれば、そのPCはマスターブラウザーである

阿久津良和(Cactus)