Windows 8.1をインストールしたPCは必ず、"コンピューター名(ホスト名)"が必要だ。一般的にコンピューター名は、ネットワーク接続したデバイスが互いを識別するために使用する。前回はコンピューター名を確認する方法をいくつか紹介したので、今回はコンピューター名を「変更」する操作を取り上げよう。
コンピューター名に使える文字の範囲とは
コンピューター名はネットワーク上での識別に用いられるため、使用できる文字列に一定の制限がある。具体的には「< > ; : " * + = \ | ? ,」といった記号類は使用できず、英数文字に限られる。IETF(The Internet Engineering Task Force)による技術仕様書であるRFC 952に沿うと「_(アンダースコア)」の使用も避けるべきだが、Windows環境では使用可能だ。
コンピューター名に使用できない文字 |
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< > ; : " * + = \ | ? , |
大文字・小文字は基本的に無視され、使用制限は存在しない。また、コマンドラインからの参照性を高めるため、あまり長くない文字列(Microsoftは15文字以下を推奨)を使用するのが通例だ。なお、コンピューター名として付ける名称に制限はないため、神話や漫画の登場人物、星々の名称など好みと覚えやすさで付けていこう。
コンピューター名を変更する
それではコンピューター名の変更手順を紹介する。前回の「確認」と同様に、「システム」からコンピューター名の確認・変更は可能だが、ダイアログベースの操作は「システムのプロパティ」から実行するため、直接ダイアログを呼び出した方が簡単だ。
コンピューター名を変更したら、PCを再起動する必要がある。これはコンピューター名の変更作業が、レジストリエントリ各所に影響を及ぼすためだ。特別な理由がなければ、ダイアログなどの指示に従って、すぐにPCを再起動してほしい。
下図に示したようにコンピューター名の変更が完了した。確認方法については前回を参照のこと。
その他にもモダンUIベースであれば、「PC設定の変更」からコンピューター名の変更が可能だ。ただし、こちらもPCの再起動を必要とする。
コマンドラインからコンピューター名を変更する
コマンドプロンプトからコンピューター名を変更する方法もあるが、少々複雑だ。以前のWindowsであれば、ドメインの参加などローカル/リモートPCの操作に用いる「netdom.exe」コマンドが使用できたが、Windows Vista以降はnetdom.exeコマンドが搭載されなくなった。
Windows 8.1でコンピューター名をコマンドラインから変更するには、「wmic.exe」コマンドを使用する。こちらはWMI(Windows Management Instrumentation)という、基盤アーキテクチャを操作するために用意されたコマンドだ。
こちらもサブコマンドを組み合わせて使うが、詳細は割愛して入力コマンドだけを紹介しておく。「wmic computersystem where name="%computername%" call rename name="{新PC名}"」を実行すると、コンピューター名を変更できる。
wmic.exeは管理者向けツールのため、簡素なメッセージしか現れないが、「ReturnValue(戻り値)」が「0」であれば、正しく実行できたことになる。そのまま「shutdown.exe」コマンドなどを使ってPCを再起動すれば操作完了だ。
阿久津良和(Cactus)