Windows 8.1のエクスプローラーを有効活用する上で便利なのが「送る」である。1995年リリースのWindows 95から実装し、ファイル(拡張子)の関連付けとは異なるアプリケーションで開きたい場合や、リムーバブルドライブへのファイルコピーなどに用いられてきた。今回はその「送る」にまつわるTipsを紹介する。
「送る」と「プログラムで開く」の違い
ファイル/フォルダーのコンテキストメニューには、今回取り上げる「送る」以外にも、「プログラムで開く」という似た項目がある。こちらは後から加わった機能だが、過去に使用したアプリケーションを自動的に列挙し、現在の関連付けとは異なるアプリケーションで開くことを目的としたものだ。
両者の違いだが、「送る」はショートカットファイルなど(詳しくは後述)、「プログラムで開く」はレジストリエントリーで管理している。そのため、「プログラムで開く」の整理はレジストリに関する知識を伴うが、「送る」はもっと手軽に管理、活用できる。
ますは「送る」の動作を確認しておこう。例えば、サブメニューに並ぶ「デスクトップ」を選択すると、説明にあるとおりデスクトップにファイルやフォルダーのショートカットファイルを作成できる。
「ドキュメント」を選択すると、OneDriveの「ドキュメント」フォルダーへと、選択したファイルやフォルダーをコピーする仕組みだ。これは「PC設定」の設定状態によって異なり、「ドキュメントを既定でOneDriveに保存する」がオンの場合はOneDrive、オフの場合はユーザーフォルダー下のドキュメントフォルダーに切り替わる。
「送る」を整理する
次は「送る」の実体である「SendTo」フォルダーを開こう。エクスプローラーで「%APPDATA%\Microsoft\Windows\SendTo」フォルダーを直接参照するより、Shellスキームを使うとより簡単だ。
ここで注目してほしいのがエクスプローラーの列に並ぶ「種類」である。大半はショートカットファイルだが、「ドキュメント」や「圧縮フォルダー」はドロップターゲットという名称が確認できるだろう。
こちらは、ドラッグ&ドロップ実行時にドロップ対象のオブジェクトを指す、Windowsでは一般的な実装形式だ。技術的にはさておき、ショートカットファイルとは「似て非なる存在」と覚えておいてほしい。
さて、最近はFAXを使う機会もかなり減ってきたが、「送る」にはいまだに「FAX受信者」が並んでいる。もし読者の皆さんがFAXを使わない場合は、このショートカットファイルを削除してみてほしい(削除に不安を覚える場合はドキュメントフォルダーなどに移動しておく)。これで下図に示したように、スッキリとした「送る」に生まれ変わる。
「送る」に追加する
「送る」メニューに新しい「送り先」を追加したい場合は、SendToフォルダーにショートカットファイルを追加すればよい。アプリケーションのショートカットを追加すれば、任意のファイルをそのアプリケーションで開きやすくなる。また、フォルダーへのショートカットを追加すれば、任意のファイルをそのフォルダーへとコピーしやすくなるという寸法だ。下図では、プログラムメニューのショートカットファイルをSendToフォルダーにコピーするだけの方法を紹介している。
キーボード操作が多い場合は、下図の手順を用いると便利。なぜなら、プログラムメニューのショートカットファイルは保護されているため、リネームできないからだ。
この手順でアプリケーション名を英語のままにしておけば、ファイル選択後は「アプリケーション」キー → 「N」キー → ショートカットファイルの頭文字にマッチするキーと順に押すだけで「送り先」を選択できる。使用頻度が高い項目には、ショートカット名の先頭に「0」などの数字を加えても便利だろう。なお、「アプリケーション」キーは「メニュー」キーとも呼び、一般的な日本語キーボードの場合は「右Ctrl」キーの左に位置している。
阿久津良和(Cactus)