こんにちは、阿久津です。Windows 7ベータ版の期間限定公開にあたり、RTM(Release to Manufacturing : 製造工程向け版)が登場するまで、最新技術や動向、それに伴う使い勝手などを含めたWindows 7に関する情報を不定期でご紹介いたします。Windows XP/Vistaからのバージョンアップを考えているユーザーや、Windows Vistaをスキップし、Windows 7へのリプレースを予定しているユーザーの方々など、ご興味のある方は是非ご覧ください。
本題に入る前に一言。本誌でも報道されたように、Windows 7ベータ版の一般配布は2月12日までとなりました。1月9日(日本時間は13日)からはじまった一般配布ですが、既にダウンロードページが更新され、間もなくダウンロードが終了する旨の警告が掲載されています。警告どおり2月10日には新規ダウンロードが停止しますので、未入手の方はお早めのダウンロードをお薦めいたします。
ちなみにWindows 7ベータ版のダウンロードおよびインストールに関しては、「ゼロからはじめるWindows 7ベータ版」のダウンロード編とインストール編をご覧ください。
さて、各IT系メディアだけでなくユーザーコミュニティの間でも評判の良いWindows 7ベータ版は、あくまでもベータ版。そのためOSトラブルが発生すると目も当てられないような、仕事用PCに導入するのは推奨されていません。かく言う筆者も原稿執筆用であるデスクトップPCは、Windows Vista Ultimate 64ビット版のまま。Windows 7ベータ版は、サブPCとなるThinkPad T60pに32ビット版を導入しています。
既に数世代前のノートPCながらも、スペック的にはCore 2 Duo T7600を搭載し、メモリも4GBまで搭載しているため、Windows Vistaでも問題なく使用できるマシンです。Windows Vista/7ベータのデュアルブート環境で導入してみましたが、全体的なパフォーマンスもWindows 7がVistaに勝る印象を覚え、ベータ版とは言え、既にかなり高い完成度を感じさせてくれます。
そのWindows 7を導入して最初に目に付くのが、Aeroによる各種エフェクト。なかでもウィンドウ配置機能には目を見張るものがありました。そもそも各ウィンドウのレイアウトは、Windows 3.x時代から注目の的ながらも、OS標準機能としては、ウィンドウを上下・左右、カスケード(重ね)表示といったものしか用意されていません。そのため、ウィンドウの配置を記憶して自動的に再配置するツールや、ウィンドウ同士やデスクトップの端に貼り付けるツールがユーザーの手によって開発・公開されてきました。
残念ながらWindows 7でもスナップ(貼り付け)機能は用意されていませんが、それに代わるレイアウト方法として「Aero Snap」を用意されています。具体的にはウィンドウをデスクトップ上部にドラッグしますと、デスクトップ全体に半透明のフレームが表示され、そのままドロップすることで全画面表示に切り替わります。ウィンドウをデスクトップ中央部にドラッグ&ドロップすることで元のウィンドウサイズに戻るため、従来の<最大化>ボタンやタイトルバーのダブルクリックに相当するアクションがドラッグ&ドロップで行なえるようなもの。一方、デスクトップ左右の端にドラッグ&ドロップと、デスクトップ領域の半分程度にリサイズされるため、Web閲覧しながら他の作業を平行して行なうといった場合に効果を発揮します(図1~2)。
もうひとつ便利なのが、マウスジェスチャー的な機能である「Aero Shake」。複数毎並んだウィンドウから、残したいウィンドウのタイトルバーをつかんで上下左右に振る(シェイク)すると、それ以外のウィンドウがすべて最小化されるというもの。一見便利そうな機能ですが、ThinkPadのようにマウスカーソルをポインティングデバイスで操作するタイプでは少々使いにくく、個人的にはあまり馴染みません。また、PC初心者が"勝手にウィンドウが消えた"と混乱する恐れもあるため、同機能の有効/無効化を制御する設定項目の用意を望みます(図3)。
誌面も尽きてきましたので今回はこの辺で。次回も引き続きデスクトップ周りの新機能をチェックしていきます。
阿久津良和(Cactus)