Windows Serverで使用中のHDDにて、アプリによる書き込み時のCRCエラーが多発し始めた。HDDの健康状態を表示するS.M.A.R.T. 情報を確認したところ、C5(代替処理保留中のセクター)が増加しており、同時期に購入した(いまや破棄済みの)同一メーカーのHDDと似た現象である。だましだまし使い続けても益もないので、別のHDDに換装した。

  • 取り外したHDDをWindows 11 PCにUSB接続し、CrystalDiskInfoで確認したS.M.A.R.T.情報

HDD換装作業は煩雑ながらも、とかく面倒なのが破棄準備である。筆者が住む自治体ではPC本体を含む場合、提携業者による宅配便回収となる。PCパーツ単体は不燃ゴミとして出せるものの、情報漏えいやセキュリティを鑑みると、内容を消去しなければならない。そこで、いくつかのHDD初期化手順を紹介する。

  • フォーマットするドライブを右クリック/長押しし、「フォーマット」をクリック/タップする

  • 「開始」→「OK」と順にボタンをクリック/タップする

  • フォーマット完了を示すダイアログが現れたら「OK」をクリック/タップする

フォーマットダイアログにある「クイックフォーマット」は、ボリューム上でファイルやフォルダーを格納したファイルテーブルと、ルートディレクトリーのみ削除するオプション。そのため、ファイル復元ツールを使えばデータを抜き出しは容易だ。下図は「Recuva」で5分ほどHDDをスキャンした結果だが、多くのファイルが復元可能だと示されている。

  • Recuvaによるスキャン結果

HDD破棄が主目的のため、クイックフォーマットは無効にすべきだが、かなりの時間を要することは覚悟してほしい。今回の破棄HDDは6TB、USB 3.0接続だが、以下に紹介する手順を実行したところ、24時間で20%程度しか進まなかった。

なので、延々とGUIダイアログがデスクトップに鎮座するよりも、ウィンドウを最小化した状態で他の作業に取りかかれるコマンドラインからの操作を推奨したい。

  • 「Win」+「X」キー→「I」キーと順に押すか、スタートを右クリック/長押しし、「Windowsターミナル」をクリック/タップする

  • プロンプトに「format H: /fs:NTFS /p:1 /y」(「H:」はフォーマットするドライブ文字)と入力して「Enter」キーを押す

公式ドキュメントによれば、Windows Vista以降はクイックフォーマット無効時にセクターへ「0x00」を書き込む仕様に変更されている。本仕様はGUIにも適用されているのか不明ながらも、他方でformatコマンドはセクターへ乱数を書き込むオプション「/P」を使用できる。

別の公式ドキュメントで説明されているように、「/P:1」で1回、「/P:2」で2回の乱数書き込みを行う。「/P:0」はゼロ書き込みなので指定する意味はない。