Windows 11の「設定」から「アカウント/Windowsバックアップ」を開くと、各機能によるバックアップ設定を制御できる。

クラウドストレージとローカルストレージの同期を"バックアップ"と呼んでいいのか、首をかしげたくなるものの、少なくともMicrosoftは過去のバックアップツールをWindows 11に対応させるのではなく、OneDriveやMicrosoftアカウントを選択した。

  • 「アカウント/Windowsバックアップ」の内容。「ms-settings:backup」で開く

上図の「同期の設定を管理する」は、OneDriveの機能を使用するので、バックアップ対象はデスクトップ、ドキュメント、画像フォルダーのみ。「アプリを記憶」はMicrosoft Storeからダウンロードしたアプリを、Microsoftアカウントにひも付ける機能。これはたとえばOSを初期化した状態でも、過去にインストールしたアプリをダウンロードできる。

  • Microsoft Storeを開くと、未インストールのアプリ(ゲーム)はクラウドアイコンで示される

本稿執筆中に気付いたのは、Microsoft Storeに過去のダウンロード履歴を削除する機能が見当たらない点。Windows 8.1も確認したが、どうも削除機能はないようだ。

  • Windows 8.1の「Windowsストア」。Microsoftアカウントと関連付けたアプリは選択できた

  • フィードバックHubを確認すると同種の意見が見付かったものの、Microsoftの返答はない

「アカウント/Windowsバックアップ」にある「自分の設定を保存する」項目は、パスワードや言語設定、いくつかのWindows設定がバックアップ対象。これまでの「設定の同期」から、セキュリティホールを理由にテーマの同期を取り除いた機能である。

つまるところユーザーが作成したファイルをしっかりとバックアップするのはOneDriveのみである。Windows 7時代の「バックアップと復元」や、Windows 8.xの「ファイル履歴」も利用可能だが、すでに保守されていないのか、正常に動作しない場面に何度か出くわした。

ご承知のとおりMicrosoft 365 Personal契約者であれば、1TBのクラウドストレージが利用できる。ネットから入手した実行ファイルも含めて、"何でもOneDrive"でバックアップ・復元することを前提に環境を整えてほしい。

  • Microsoft 365 Personal契約者は、200GB単位でクラウドストレージの容量を追加契約できる