「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

「PC離れ」で発生したBCDエラー

ある日、譲ったSurface Goを手に家人が話しかけてきた。「PCが起動しなくなったの」と。

家人が務める企業はコンプライアンスの関係から、社外でPCを使った事務作業ができなくなり、家庭でのPC稼働率は著しく低い。それでも寝ながらMicrosoft Edgeでニュースを見ているシーンを見かけるので、「たまには使っているのだろう」と思っていた。

ディスプレイを見ると0x0000098エラーが発生しており、BCD(ブート構成データ)が破損しているようである。Windows回復環境(Windows RE環境)も起動できないため、回復ドライブからWindows RE環境を起動し、スタートアップ修復を試みるも結果はNG。

続いてコマンドプロンプトから「bootrec /fixmbr」「bootrec /fixboot」「bootrec /rebuildbcd」でBCDの再構築を行うとアクセス拒否が発生する。そこで以下の操作を行った。


diskpart
list disk
sel disk 0(起動ドライブを選択)
list vol
sel vol 2(FAT32の「システム」)
assign letter=X:
exit

format X: /FS:FAT32
bcdboot c:¥windows /s V: /f UEFI

まずはdiskpartコマンドでシステムボリュームにドライブ文字を割り当て、bcdbootコマンドでWindowsフォルダーからシステムボリュームへ、ブート環境ファイルをUEFI形式でコピーしている。

その後、PCをシャットダウンし、回復ドライブを取り外してから起動すると、Windows Updateの続きが始まった。どうやら、使用中に自動更新が始まり、そのままPCを閉じて放置していたようである。

  • 無事起動したWindows 10。そのまま更新プログラムの適用を続行している

無事起動したWindows 10のデスクトップを見ると、元々入っていたWindows Insider Programに参加したままで、ビルドは18342。Windows 10 バージョン1903未満である。つまり、冒頭で述べた「たまに~」は筆者の勘違いだったようだ。

  • デスクトップが現れたのでWindows Updateを実行したところ、バージョン2004のスローリング適用が始まった。未更新のUWPアプリもかなり溜まっている

ひとまず家人にはPCではなく、iPad miniなどタブレットをすすめようと思った筆者である。

  • 最後に先の手順でエントリーが加わったブート情報を削除して作業完了となる

阿久津良和(Cactus)