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Windows Update各プログラムを含むファイル群
「設定」のシステム>ストレージ>ストレージ使用量には、アプリやシステム予約と並んで「一時ファイル」という項目が並んでいる。「その他」に含むべき項目に見えるが、これには歴史的経緯があるのだ。以前のWindowsは、各種ファイルを削除する「ディスククリーンアップ」機能を備えていた。
Microsoftは2018年8月の公式ブログで、ファイルを自動的に削除する「ストレージセンサー」の実装を紹介しつつ、「ディスククリーンアップ(cleanmgr.exe) は廃止されるが、互換性上の理由から保持している」と述べている。ストレージセンサーはディスククリーンアップの上位機能にあたり、その経緯から、ディスククリーンアップの削除対象項目を「一時ファイル」としてまとめているのだ。
具体的にいうと、「一時ファイル」は次のようなものだ。なお、「その他」は多くのファイルを格納しているフォルダーを示す。
Windows Updatesの機能更新やセキュリティ更新などを含む「各種プログラム」
デバイスドライバーパッケージ、Windows 10の「アップグレードログファイル」
画像ファイルをはじめとするメディアファイルのサムネイルに用いる「縮小表示」
他のPCに各種プログラムを送信するための「配信の最適化ファイル」
Internet Explorerが使用する「インターネット一時ファイル」
アプリが一時的に情報をファイルに出力する「一時ファイル」
Windows Defenderで使用したファイルを指す「Windows Defenderウイルス対策」
「ごみ箱」
エラー発生時のログとメモリーダンプを含む「Windowsエラー報告とフィードバックの診断」
DirectX用言語であるHLSL(High-Level Shader Language)で生成したバイナリーファイルを指す「DirectXシェーダーキャッシュ」
そしてWindowsセットアップ時のログファイルを意味する「一時Windowsインストールファイル」
本来なら以上で解説を終えて構わないはずだが、読者諸氏は上図を見て首を傾(かし)げていることだろう。一覧では589MBと示された一時ファイルだが、取捨選択画面では7.11GBと格段にかけ離れているからだ。
これはディスククリーンアップのロジックが影響している。同ツールはレジストリエントリーで示した各フォルダーをチェックし、その後に削除対象となるファイルサイズを示していた。「設定」の動作やファイルアクセスログを確認する限り、ストレージセンサーも極めて類似したロジックでファイルサイズを取得しているため、実際と乖離してしまうのだろう。