「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

※2019年7月29日更新:初出時、誤解を招く記述があったため、加筆、修正いたしました。ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係各位には深くお詫び申し上げます。

第8世代Intel Coreに相当するスペックが必要

一部でWindows 10のシステム要件の変化に関する話題が盛り上がっている。最終更新日は不明だが、日本マイクロソフトのWebサイトでWindows 10のシステム要件を確認できる。こちらは多くの読者諸氏が目にしてきた従来の内容である。

  • Windows 10 ミニTips

    これが従来のシステム要件。必要メモリーの「1GB」「2GB」は誤字ではない

Windows歴の長い読者諸氏ならご承知と思うが、Microsoftが提示するシステム要件は、あくまでもインストールできる最低ライン。「使えるレベル」を求めるなら、推奨値を大幅に上回るハードウェアスペックが欠かせない。

2019年6月末に更新となった公式ドキュメントでは、より詳細な定義を行った。こちらはOEMベンダー向けに提示したデバイス規格を示している。

「highly secure Windows 10 device」、つまり「高い安全性を持つWindows 10デバイス」を実現するための要件だ。Windows 10 Sを推奨するとともに、たとえばプロセッサは第8世代Intel Coreプロセッサ(Intel i3/i5/i7/i9-7x)、Core M3-7xxx、Xeon E3-xxxx、Xeon E5-xxxxプロセッサ、AMD第8世代プロセッサ(Aシリーズ Ax-9xxx、Eシリーズ Ex-9xxx、FX-9xxx)、またはARM64プロセッサ(Snapdragon SDM850以降)となっている。ストレージに関しても、パフォーマンス、ユーザー体験、セキュリティを挙げ、SSD(NVMe)を必要としている。いずれも順当な内容だろう。

先の公式ドキュメントにてMicrosoftは、「標準的なラップトップやタブレット、2in1 PC、モバイルワークステーション、およびデスクトップ用の規格である。(中略)最高のセキュリティを可能にしたいのであれば、デバイスはこれらの標準を満たすか、超えるべきだ」と述べている。

では一般的なシステム要件はというと、別の公式ドキュメントでCPUについて触れられている。こちらは2018年11月6日に更新されたものだ。Windows 10 バージョン1903の項目を抜粋すると、以下のようになる。

■Intel
Up through the following 9th Generation Intel Processors (Intel Core i3/i5/i7/i9-9xxxK), and Intel Xeon E-21xx, Intel Atom (J4xxx/J5xxx and N4xxx/N5xxx), Celeron and Pentium Processors

■AMD
Up through the following AMD 7th Generation Processors (A-Series Ax-9xxx & E-Series Ex-9xxx & FX-9xxx); AMD Athlon 2xx processors, AMD Ryzen 3/5/7 2xxx, AMD Opteron and AMD EPYC 7xxx

■Qualcomm
Qualcomm Snapdragon 850

上記は、Microsoftが記事を投稿した時点での最新プロセッサが基準になっている。「Up through」と書かれたIntelおよびAMDのプロセッサに関しては、前世代のプロセッサもサポートされる。Intelのプロセッサに関しては、インテルの「インテル プロセッサーの Microsoft Windows 10 の対応状況について」も合わせて参照いただきたい。

阿久津良和(Cactus)