「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。
Windows OneCoreを実現するアプローチのひとつ
Windows 10 バージョン1607以降加わったDefaultAccountは、既定で無効になっている。何のために存在するのか疑問をお持ちの方も少なくないだろう。「ローカルユーザーとグループ」をチェックすると、自分のアカウントに混じって出てくる謎の存在だ。
Microsoftは公式ドキュメントでその存在を明示している。同社によればDefaultAccountはデフォルトシステム管理アカウント(DSMA: Default System Management accounts)と呼ばれる存在で、MUMA(Multi User Manifested Apps)実行時に用いられるという。
Windows 10のXboxアプリを使った経験をお持ちの方はわかるかもしれないが、Xboxアプリで最初にゲストアカウントでサインインすると、その後Xboxアカウントへ切り替わる(最近のバージョンではスムーズに切り替わるため、視認するのは難しいかもしれない)。このような場面でDSMAを利用し、MUMAの実行を可能にしているようだ。
DSMAのコンセプトとしては、Xboxに限らずWindows 10 Mobileなどでも機能の実現をスムーズにするための存在だが、一般的な利用であれば、ユーザーが意識する必要はない。Windows OneCore(Windows共通のプラットフォーム基盤)を実現するためにDSMAを用意しているので、アカウントの設定を変更することは慎んだ方がいいだろう。
Microsoftは公式ドキュメントで、「DSMAの既定構成であるアカウント無効状態の変更は推奨しない。アカウントを削除せずともセキュリティリスクは発生せず、(同社が目指す)将来のシナリオが妨げられる可能性がある」と述べている。
Windows 10 バージョン1903でWindows To Goが削除されたように、いつかDSMAがWindows 10にとって不要な存在になれば削除されるかもしれない。
阿久津良和(Cactus)