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「DNS Benchmark」で測定した結果は……

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)などを手がける米国企業のCloudflareと、東部・南部アジア・太平洋エリアを管轄する地域インターネットレジストリのAPNIC(Asia-Pacific Network Information Centre)は、2018年4月からパブリックDNS「1.1.1.1」の提供を開始した。

パブリックDNS自体はGoogleなども以前から提供しているが、「1.1.1.1」はログをストレージ上に保存せず、24時間以内に消去するという。また、DNSPerfによれば、Googleの34.23ミリ秒よりも速い13.09ミリ秒という数値を示している。

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    DNSPerfによる各オープンDNSのパフォーマンス結果

では、本当に「1.1.1.1」は速いのだろうか。Windows 10で「1.1.1.1」の設定を行い、測定してみた。Windows 10で「1.1.1.1」を使用するには、イーサネットアダプターの設定変更が必要だ。無線LAN環境の場合は、下図に示した手順で「Wi-Fiの設定を変更する」を検索して実行する。

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    タスクバーの検索ボックスに「イーサネット」と入力し、「イーサネット設定を変更する」をクリック/タップ

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    「アダプターのオプションを変更する」をクリック/タップ

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    アダプターを選択した状態で「この接続の設定を変更する」をクリック/タップ

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    「インターネットプロトコルバージョン4」を選択した状態で「プロパティ」ボタン→「次のDNSサーバーのアドレスを使う」と順にクリック/タップ。優先DNSサーバーは「1.1.1.1」、代替DNSサーバーは「1.0.0.1」と入力して、「OK」→「OK」と順にボタンをクリック/タップ

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    「インターネットプロトコルバージョン6」を選択した状態で「プロパティ」ボタン→「次のDNSサーバーのアドレスを使う」と順にクリック/タップ。優先DNSサーバーは「2606:4700:4700::1111」、代替DNSサーバーは「2606:4700:4700::1001」と入力して、「OK」→「OK」と順にボタンをクリック/タップ

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    自動的にトラブルシューティングツールが起動するが、特に問題は発生しないはずだ。「閉じる」ボタンをクリック/タップして終了させる

以上で設定は完了だ。今回はGibson Researchが提供する「DNS Benchmark」を使って、パブリックDNSの速度を計測した。インターネット接続は、NTT東日本のフレッツ 光ネクスト ギガファミリー、およびIIJmioのFiberAccess/NFだ。

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    キャッシュ済みパフォーマンスの結果

グラフの赤色は、DNSサーバーのキャッシュを用いた応答速度を測定したCached lookups。緑色は、相手ドメインのDNSサーバーを用いた応答時間を測定したUncached lookups。青色は、測定対象のDNSサーバーとインターネットの接続状態を示すDotcom lookupsだ。

今回の測定で「1.1.1.1」は「Cached: 0.004, Uncached: 0.062, DotCom: 0.122」。GoogleのパブリックDNSは「Cached: 0.003, Uncached: 0.107, DotCom: 0.207」と、DNSリゾルバキャッシュ以外は「1.1.1.1」が速い。

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    非キャッシュのパフォーマンス結果

だが、Uncached lookups速度で並び替えると、NTT America Technical OperationsのDNSが登場してくる。ただし、こちらはパブリックDNSではない。また、「202.232.2.2」「202.232.2.3」はIIJmioのDNSサーバーである。

このように、パブリックDNSとして見れば、「1.1.1.1」はGoogleのそれをわずかに上回るが、契約中のISPを上回るほどではなかった。利点を挙げるとすれば、「1.1.1.1」はログの破棄や、キャッシュポイズニングを防ぐDNSSECのサポートなど、セキュリティ的なメリットだ。読者諸氏の契約ISPが提供するDNSサーバーに不満がなければ、積極的に変更する必要はないだろう。

阿久津良和(Cactus)