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MicrosoftはDOS時代から、ストレージ上に構築したファイルシステムの整合性を確認するチェックディスク(スキャンディスク)機能を用意していた。Windows 10も同様の機能を搭載しているが、GUI上から実行すると簡素なメッセージしか表示されない。今回はチェックディスクの実行結果(ログ)を確認する方法を紹介する。
Windows 8時代で変わったチェックディスク
MicrosoftはOSのバージョンアップに伴ってチェックディスクを改良し、Windows Vista時代はパフォーマンスの改善、Windows 8時代は機能自体を見直し、チェック対象となるデバイスが使えなくなる"オフライン"状態を避けるため、破損時の修正方法を変更した。
具体的には、NTFSなどファイルシステムの状態を、「正常」「オンラインスポット検証が必要」「オンラインスキャンが必要」「オフラインスポット修正が必要」の4段階に区別している。オンラインスポット検証レベルではユーザー操作を必要とせず、オンラインスキャンやオフラインスポット修正時も、オフラインスポットが必要な状況になるとユーザーにPCの再起動を求め、その際にチェックディスクを実行する仕組みだ。
これらの操作を手動で行うのが、ドライブのプロパティダイアログから起動する「エラーチェック」である。本来はこの呼称を用いるべきだが、Windows NT系は「チェックディスク」という呼称を採用してきた経緯があるため、本稿ではチェックディスクで統一する。
チェックディスクを実行する
このチェックディスクは、ドライブのプロパティダイアログにある「エラーチェック」セクションから実行可能だ。こちらからGUI版チェックディスクを起動し、ドライブの状態を容易に確認できる。
問題はチェックディスクの結果表示だ。GUI版チェックディスクは簡素なメッセージしか現れないため、経年劣化や初期不良などさまざまな理由から異常をきたしたストレージを使うことに不安がある。そこで確認すべきは「詳細の表示」だ。
こちらをクリックすると、イベントビューアーにおいて、GUI版チェックディスクの実行結果を落ち着いて見ることが可能だ。詳しくはお手元のPCでご覧いただくとして、ログを見るとGUI版チェックディスクは、「ファイルシステム構造」を検査し、次に「ファイル名と実データの連係」を検査して、最後に「セキュリティ記述子」と、3段階による整合性チェックを行っていることが分かる。
チェックディスクの表示結果は、GUI版もCUI版も同じだ。コマンドライン操作で確認してもいいし、GUI版チェックディスクを実行してイベントビューアーで結果を見てもいい。ただし、基本的にこれらの操作は自動的に行われるため、何らかのトラブル発生が発生したときの問題切り分けに役立ててほしい。
阿久津良和(Cactus)