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グループポリシーエディターやレジストリ操作が必要
Windows Updateにおける「配信の最適化」は、更新プログラムやMicrosoft Storeのアプリケーションを効率的に入手する仕組みだ。詳しくはMicrosoftのFAQページをご覧いただくとして、複数のWindows 10マシンを使っているとき、この「配信の最適化」が重要な地位を占める。
同じリング(※)で各PCを運用している場合、有線LANを備えるデスクトップPC上にWindows Updateのキャッシュがあれば、例えば無線LANのみのノートPCはインターネット帯域を消費せず、LAN内で更新プログラムなどの配信が完結するからだ。
※リング : Windows 10には、「ファーストリング」「スローリング」という2つの基本的なリングがある。詳細はMicrosoftのWebサイトを参照のこと。
ただ、Windows 10の「設定」では、ダウンロード先の選択やネットワーク帯域に対する設定は可能なのだが、そのキャッシュサイズに関しては明示的に変更することはできない。
実はWindows 10 バージョン1511の時点で、グループポリシーやMDMソリューションを用いることで、キャッシュサイズやキャッシュドライブを変更する仕組みを備えている(絶対的最大キャッシュサイズおよびキャッシュサイズドライブはバージョン1607以降)。
例えばキャッシュファイルの保持期間を指す最大キャッシュ時間(DOMaxCacheAge)は259,200秒(3日)、最大キャッシュサイズ(DOMaxCacheSize)はドライブ容量の20%、絶対最大キャッシュサイズ(DOAbsoluteMaxCacheSize)は10GBを既定値とし、キャッシュドライブは「%SYSTEMDRIVE%」を参考にOSをインストールしたドライブを使用する。興味があればMicrosoftの公式ドキュメントに目を通してほしい。
これらを変更するには、グループポリシーエディターを使用する。
をダブルクリック/タップで開き、「有効」を選択してドライブ文字もしくは作成したフォルダーのフルパスを入力してから「OK」ボタンをクリック/タップ|
ただし、Windows 10 Homeではループポリシーエディターを使えないため、レジストリの操作が必要だ。
具体的な手順は割愛するが、HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Policies¥Microsoft¥Windows¥DeliveryOptimizationキーに対して、最大キャッシュ時間はDWORD値「DOMaxCacheAge」に10進数で秒数を指定、最大キャッシュサイズはDWORD値「DOMaxCacheSize」に10進数でパーセンテージを指定、絶対最大キャッシュサイズはDWORD値「DOAbsoluteMaxCacheSize」に10進数で割り当てる容量をGBで指定、キャッシュドライブは文字列値「DOModifyCacheDrive」にパスを指定する。
設定終了後は「gpupdate.exe」の実行、もしくはWindows 10の再起動が必要だ。
阿久津良和(Cactus)