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バージョンとOSビルドを把握すればOK
Windows 10では、多くのバージョン情報を用いている。ソフトウェアにおけるバージョンは本来、製品のリリース状況を明示するために用いる数値だが、例えば現在のWindows 10のバージョンは「1709」だ。同時に「バージョン情報」では、「OSビルド」として「16299.192」という数値も現れる。
このバージョンは「2017年9月にリリース」したことを示し、OSビルドはソフトウェア開発における進捗状況を示した数値。加えて内部的には、バージョン「6.3」という値も存在していたりする。これは、Windows 10に至るまでのOSバージョンを示しており、Windows 2000のOSバージョンは「5.0」、Windows XPは「5.1」、Windows 7は「6.1」となる。
MSDNによれば、OSバージョン「6.3」はWindows 8.1の数値。Windows 10は「10.0」だ。つまり、上図で示した文字列値「CurrentVersion」は下位互換性のために残された存在である。現在はレジストリのDWORD値「CurrentMajorVersionNumber」「CurrentMinorVersionNumber」で管理し、それぞれ「10」「0」の値を持つ。
数値を整理
このあたりで数値を1度整理したい。現在のWindows 10は「バージョン」「OSビルド」という2つの数値が存在する。さらに現在のWindows 10には、マーケティング名となる「Fall Creators Update」やコード名を示す「RS3(Redstone 3)」などもある。
上図はDWORD値「BuildLabEx」のデータにコメントを加えたものだが、OSビルドは「16229.15」だ。本稿執筆時点で一連の更新プログラムを適用すると、OSビルドは「16229.192」に変わる。こちらのマイナービルドは、DWORD値「UBR」に格納されているため、各数値を取り出すPowerShell関数だと下図のようになる。
以上の情報を整理し、Windows 10の各バージョンをまとめたのが下図だ。もっとも、バージョンやOSビルドの表記は完全に統一しておらず、Microsoftのドキュメントでも、OSビルドを「OS Version」と記述しているなど、表記ゆれが多い。
エンドユーザーとしてWindows 10を利用するうえでは、バージョン、OSビルドの2つを把握しておけば十分だろう。
阿久津良和(Cactus)