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「Webメディア拡張機能」をインストールする
インターネット上には多くのメディアファイル形式が存在する。例えばMP3(MPEG-1 Audio Layer-3)はFraunhofer IIS、AAC(Advanced Audio Coding)はVia Licensingがライセンス管理を行っているため、ユーザーは自由にアプリケーション(以下、アプリ)へ組み込むことはできない。このプロプライエタリな状況を打破するため、Xiph.Org FoundationはOggコンテナ形式を作成した。
Ogg形式のファイルには、圧縮した音声データや映像データが格納される。例えば音声では非可逆圧縮のVorbisや、可逆圧縮のFLACなどをサポートしているが、今回Microsoft Storeで公開した「Webメディア拡張機能」をインストールすることで、Vorbisデコーダーと映像用非可逆圧縮のTheoraデコーダーがWindows 10に組み込まれる。
MicrosoftによるOggコンテナのサポートは、同社がMicrosoft Azureなどを通じてOSS(オープンソースソフトウェア)との関与を強化する姿勢が大きいだろう。下図はHTML5test.comによるテスト結果だが、筆者が試した限りではMicrosoft Edgeの再起動が必要だった。
動作検証を行うため、ネット上のOggコンテナを用意するサンプルページをMicrosoft Edgeで開いてみると、インストール前は「無効なソース」というメッセージとともに動画は再生できなかったが、インストール後は下図のとおり再生できる。
気になるのは、Oggコンテナファイルをメディアプレイヤー系のアプリでそのまま再生できるかどうかだ。Microsoft Storeの説明を読む限り、アプリでも利用可能のように受け取れるが、2017年12月10日の時点で「映画&テレビ」「Grooveミュージック」では再生できない。
まだまだ、「VLC」に代表されるサードパーティー製のメディアプレイヤーアプリは手放せないようだ。ちなみにMicrosoftは、今回無償で「MPEG-2ビデオ拡張機能」を公開している。Windows 10上にMPEG-2コーデックを組み込み、DVDビデオの再生環境を作る 「Windows DVD プレイヤー」は不用になった。
阿久津良和(Cactus)