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「コントロールされたフォルダーアクセス」は原因ではない

今回は筆者の失敗談を笑い飛ばしていただきたい。Windows 10の各種設定を変更しながら動作検証していたところ、OneDriveが下図のようなダイアログを示して、同期処理が行われなくなってしまった。

アクセス権がないなどの理由から同期に失敗した状態。「OneDriveの再構成」ボタンをクリック/タップすると、Microsoftアカウントの入力など、一連のウィザード操作をうながされる

ちょうど「コントロールされたフォルダーアクセス」の設定を試していたため、整合性が取れなくなったのかと勘違い。「コントロールされたフォルダーアクセス」は、ドキュメントフォルダーに代表されるユーザーフォルダーに対して、システムフォルダーと同等の保護能力を提供するというもの。保護対象となるフォルダーの取捨選択は可能だ。

「Windows Defenderセキュリティセンター」の「ウイルスと脅威の防御」から機能を有効にし、「保護されているフォルダー」を開くと、デスクトップなど各ユーザーフォルダーが保護対象となる

そこで、OneDrive.exeを除外アプリケーションとして指定すればよいと考えたのだが、冒頭で示したエラーダイアログはたびたび現れる。そのうちファイル同期に失敗するようになり、腰を据えて調査したところ、至極簡単なオチだった……。

「アプリをコントロールされたフォルダーアクセスで許可する」を開くと、項目名どおり操作許可を与えるアプリケーションを指定できる

未指定のアプリケーションがファイルに変更を行うと、通知が現れてアクションはキャンセルされる

アクセス権のないフォルダーが原因

エラーダイアログのメッセージを元にOneDriveフォルダーの検索を行ったところ、合致するフォルダーが存在した。もちろん筆者が作ったものではない。

エラーダイアログのメッセージを元にしたOneDriveフォルダーの検索結果。最初からこうすれば話は早かった……

確認してみると、それは「Windowsフィードバック」が作成したフォルダーだった。中身はMicrosoftに送信するXMLファイルやJSONファイル、スクリーンショットを撮ったPNGファイルなどを含んでいる。

ユーザー自身がフォルダーへのアクセス権を所持していないため、同期エラーになっていたようだ

これまでも何度かフィードバックを送信していたため、偶然もしくは仕様変更に伴い、OneDriveフォルダー内のドキュメントフォルダーに保存されたフィードバック情報が, トラブルの原因だったのだろう。

問題となった「Windows Feedback」フォルダーを削除してからは、OneDriveの動作に支障はなくなった。ちなみに、OneDrive for Businessを併用している場合、単独でOneDriveクライアントを起動するのは少々面倒である。その際は「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\OneDrive\OneDrive.exe /client=Personal」と、オプションを追加して実行すれば、OneDrive for Businessクライアントをそのままに、OneDriveクライアントのみ起動可能だ。

阿久津良和(Cactus)