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OneDriveクライアント側の変更で改善
OneDrive.comにアップロード可能なファイルサイズは第96回で紹介したように、Webブラウザー経由では10GB。OneDriveクライアント経由では2GBだった。もっともこれは、2016年中旬の話である。
最近、Windows 10 Insider Preview上で、Hyper-Vマネージャーのギャラリーイメージ経由で仮想マシンを作成したところ、OneDrive上のドキュメントフォルダーに仮想マシンイメージをダウンロードし、同期エラーが発生していた。ここで気付いたのは、「前は2GBまでだったのに……」ということ。
fsutilコマンドを利用し、約20GB(21,474,836,480バイト)と約15GB(16,106,127,360バイト)のファイルを作成した。この20GBのファイルを作成した時点で上図のエラー通知が現れる。同様のファイルを別フォルダーに作成し、OneDrive.comにWebブラウザー経由でアップロードしたところ、やはり同様のエラーが発生した。
他方でOneDriveクライアントによる同期は20GBのファイルを削除すると着々と進み、15GBのファイルは何事もなかったかのようにアップロードが進む。前回の調査でWebブラウザー経由が10GB、クライアント経由が2GBだったことを踏まえると、大きな規制緩和だ。
気になるのは、「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\OneDrive\settings\Personal\ClientPolicy.ini」ファイルで定義している「MaxFileSizeBytes」である。前に調べたときの値は「10737418240」だったが、今回確認すると「16106127360」に変更されていた。変数MaxFileSizeBytesが正しいのであれば、前回調査時にクライアント経由は2GBの制限がかかるのは解せない話である。
いずれにせよ、今回の調査で「Webブラウザー/OneDriveクライアント経由でアップロードできる1ファイルのサイズは約15GB」に変更されたことを確認した。この変更は、ITを取り巻く状況をMicrosoftが考慮し、緩和もしくは制限しているのだろう。
阿久津良和(Cactus)