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Windows OSは以前から、ネットワークの種類として「パブリックネットワーク」「プライベートネットワーク」という概念を持ち合わせてきた。今回は、ネットワーク設定の変更手順を紹介する。
パブリックネットワークとプライベートネットワークの違い
2006年11月に登場したWindows Vistaは、「ネットワークの場所(Network Locations)」という概念を導入した。接続するネットワークに応じて、セキュリティなどの設定を自動的に行う機能だ。当時のMicrosoftは、利用者がネットワークの種類を知る必要がなくなり、比較的に難しいセキュリティ設定を不要にする、と説明していた。
「ドメイン」「パブリック」「プライベート」の3つに切り分け、会社であればドメイン、自宅であればプライベート、公共の無線LANであればパブリックを選択すればよかった。この仕組みはWindows 10にも引き継がれ、「セキュリティが強化されたWindowsファイアウォール」で確認できる。
一見すると便利な機能だが、本来なら利用者が簡単に切り換えられるべき設定が、Windwos 10では少々分かりにくい。設定項目を、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)ベースの「設定」に移管したことが理由に挙げられる。
「設定」やコントロールパネルから変更する方法
Windows 10の「設定」から変更するには、まず「ネットワークとインターネット」-「Wi-Fi」を開く。そして、接続中の無線LANアクセスポイントに用意された設定項目「このPCを検出可能にする」をオンに切り換える。この項目がオフの場合は「パブリックネットワーク」、オンの場合は「プライベートネットワーク」に切り替わる仕組みだ。
有線LANの場合は「イーサネット」を開き、同じようにネットワーク接続しているアダプターを選択して、「このPCを検出可能にする」のスイッチを変更する。
コントロールパネルから操作する場合は、「ホームグループ」で設定を行う。この動作に違和感を覚える方も少なくないだろうが、前述のようにWindows 10の仕様変更に伴う弊害といえる。チャームバーの問い合わせに関しては、「はい」ボタンが「プライベートネットワーク」、「いいえ」ボタンが「パブリックネットワーク」だ。
もしくは、PowerShellを使ってもよい。「Set-NetConnectionProfile -Name {ネットワーク名} -NetworkCategory Public」でパブリックネットワーク、「Set-NetConnectionProfile -Name {ネットワーク名} -NetworkCategory Private」でプライベートネットワークへ切り換えられる。GUI操作が面倒な場合は、PowerShellのほうが簡単だ。
阿久津良和(Cactus)