都心で暮らす人々の間などではすっかり定着したシェアサイクル。しかし実は、ああいう電動アシスト自転車は観光地でこそ役に立つのではないか。

そんな仮説のもと、これまで鎌倉周辺、そして湘南エリアなどを電動アシスト自転車で巡ってみたが……これがやっぱり大正解! その魅力にすっかり目覚め、現在は未開拓の地に電動アシスト自転車とともにお出かけすることが休日の楽しみとなった。

ということで今回は、小田原〜箱根湯本編をお届け。箱根湯本の伝説の名店「湯葉丼 直吉」にも行ってきたぞ〜!

小田原から箱根湯本を巡る自転車旅

この日のスタートは小田原駅。小田原駅ってこんなにデカかったんだなあ。駅ビルは大きくてキレイだし、車道も歩道も広々している。住みやすそうな雰囲気だ。ちなみに、今回の相棒もヤマハの電動自転車「PAS CITY-V」である。今日もよろしくね〜!

  • スタートは小田原駅!

小田原も箱根も観光地として知られ、小田原といえば“海”、箱根といえば“山”というイメージがあるが、実はそんなに離れていないらしい。土地鑑がないとピンとこないが、実は小田原駅と芦ノ湖の距離は20kmちょい。小田原駅と箱根湯本では6〜7km程度の距離なのだという。まさにチャリで巡るにピッタリじゃん!

ということでまずは腹ごしらえ(さっそくかーい)。

「小田原 吉匠」鯵の唐揚げで出発前の小腹チャージ

ちょっと前にロケ番組で見たんだけど……

小田原駅に直結している「ミナカ小田原」という比較的新しい商業施設の……

たしか、3階のフードエリアに……

あった、ここだ! 鯵の唐揚げ専門店「小田原 吉匠」。小田原といえば漁港だし、このあたりでは鯵や金目鯛なんかがよく獲れるらしいしね。しかも、このお店には変わり種の鯵フライがたくさんあるようで……

おおっ、あるある。カレー味、ペペロンチーノ、旨辛麻辣……。いろいろあって迷うけど、ペペロンチーノにしよう。

実際に食べてみると、これは新しい! 頭から丸ごと食べきれるスタイルの鯵で、ニンニクとハーブの風味がしっかり効いていてめちゃウマい! 骨までカリカリに揚がっているので、サクッと食べられる。

小田原吉匠 ミナカ小田原店

住所:神奈川県小田原市栄町1-1-21 3階
営業時間:10~20時、年中無休(休館日に応じる)
公式サイト:小田原 吉匠

「小田原城」にちょっと寄り道

よし、それじゃあそろそろ箱根湯本方面にゆっくり向かってみよう。

おおっと、当たり前だけどいきなり道路案内標識に「小田原城址」の文字が! 駅からそう遠くないらしい。これまたいきなりだけど、ちょっと観光していこう。

到着! 道がわからなくてしばらく敷地の周りをぐるぐる回ってしまったが、ここが正門のようだ。

平日だからか敷地内は人もまばらで静か。木々の木陰も多くて過ごしやすい。

これが小田原城か……間近で見ると結構な迫力である。

軽く歴史をおさらいしておくと、小田原城は15世紀の中頃に造られた城で、1500年代は北条氏がここを拠点に関東一円を支配。「難攻不落の城」と呼ばれたが、かの有名な「一夜城」などを用いた豊臣秀吉の小田原攻めによって陥落。北条氏は滅亡し、戦国時代の幕も閉じた(でも、北条早雲めっちゃカッコいいよなあ)。

小田和城はその後、明治初期には廃城が決定し、関東大震災では石垣などもほぼ壊滅したが、1960年に天守閣が復興。徐々に現在の姿へと整備され、人気の観光スポットとして週末は大いに賑わっているという。こんなに間近で見たのは初めてかも。やっぱり日本の城って、なんかいいよね〜。

小田原城

住所:神奈川県小田原市城内
営業時間:9~17時(入館は16時30分まで)、12月第2水曜日・12月31日〜1月1日休館
公式サイト:小田原城

小田原城を後にし、市街地を爆進。日差しは強いけど、風がめっちゃ気持ちいい〜。

しばらく進むと街とは打って変わり、自然いっぱいののどかな景色が広がる。眼前を流れているのは「早川」だ。

んっ、なんだこれ……

こっ、これは……!

「鈴廣かまぼこの里」で、かまぼこ食べ比べ!

小田原名物「鈴廣かまぼこ」が展開するかまぼこのテーマパーク「鈴廣かまぼこの里」に到着! かまぼこの手作り体験や職人技の見学なども楽しめるらしい。せっかくなので、お土産などが販売されている「鈴なり市場」にちょっと入ってみよう。

かまぼこにまつわるいろんなお惣菜のほかに、かまぼこを実際に試食できるお店なども充実している。ちょっとつまんでいこう。

いろんなメニューがあるけど、今回は「浜の月と特上蒲鉾セット」に、ドリンクは「足柄茶」をセレクト。

おお〜、きたきた! これはなんかテンション上がる。さっそく味わってみると……

ウッッッマ!! 蒲鉾は弾力があってピッチピチ! 非常にみずみずしく、ほんわかした白身魚の香りも上品で最高に美味しい! 魚のすりみを蒸した浜の月(しんじょ)のほうもつるん&ぷるんとしていて舌触りが面白い。やわらかな食感に優しい魚の風味が鼻を抜けていき、めちゃくちゃ満足度高い……!

鈴廣かまぼこの里

住所:神奈川県小田原市風祭245
営業時間:鈴廣蒲鉾本店・鈴なり市場 9~18時、かまぼこ博物館 9~17時ほか 年中無休(1月1日及び法定点検など臨時休業あり) 公式サイト:鈴廣かまぼこの里

散策も楽しい「箱根湯本駅」{#id05}

美味しい蒲鉾に舌鼓を打ったあとはさらに3kmほど走らせて……だんだん山っぽくなってきたぞ。

おおっ、なんか奥の方に街っぽい一角が見えてきた。ラストスパートをかまして……

到着!

箱根湯本駅! ここ、新宿からロマンスカーで来たことあるわ〜! まさか自転車で来る日がくるとは……なんか感慨深い。

しばらくは観光客で賑わう駅前商店街を散策したり……

徒歩旅ではなかなか足を伸ばせないような路地裏も自転車で一通り巡ってみたり……

「湯葉丼 直吉」絶品湯葉丼+湯葉刺しセット

そして、この日の最大の目玉として密かに設定していた「湯葉丼 直吉」に到着!

箱根湯本の有名店で、めちゃ気になってたけど、来るたびいつも行列だから諦めていた。今日こそ絶対食べてやる! 平日だから意外にすぐ入れるっしょ!と意気込んで来たが、やっぱり並んでる……。それでも数十分ほど並び、いよいよ店内に案内されたときはうれしさに打ち震えたゾ!

せっかくなので「湯葉丼+湯葉刺しセット」を注文。待つこと、数分、ついにご対面……!

きた、これがウワサの……

湯葉丼! めっちゃウマそう! 店員さん曰く、セルフでご飯に乗せて食べてほしいとのこと。さっそく食べてみると……

ウマーーーーーーーーーーーッッッ!!!! ヤッバ! めっっっっちゃウマい!

スープは特製のカツオ出汁とのことだが、これがめちゃくちゃ香り高くて味わい深い。すごく品があるのに、どこか迫力もあってご飯が進みまくる味付けだ。湯葉は箱根山から涌き出た水をふんだんに使って作った汲み上げ湯葉とのことだが、この湯葉と卵がふわっふわ&とろとろでたまらない……。しいたけの旨みもいいアクセントになっているし、これは行列に並んででも食べたいわ。すっごく美味しい!

湯葉は刺し身で食べるとその味わい深さがさらにわかりやすく感じられる。大豆もそうだけど、使う水も大事なんだな〜。すごくクリアな旨みを感じる。

このおぼろ豆腐も絶品! 大豆の風味が際立っているし、舌触りもめっちゃいい。大豆三昧だけど、どれも表情が違ってめっちゃ楽しい。

湯葉丼 直吉

住所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本696
営業時間:11~18時 火曜定休
公式サイト:Instagram「湯葉丼」直吉

電動アシスト自転車で「箱根駅伝」の激坂にもチャレンジ!

最後は箱根駅伝でもお馴染みのコース、国道1号線の登坂にプチチャレンジ! 電動アシスト自転車じゃなかったら泣きを見ていたと思うが、やっぱり木漏れ日のなかを軽快に駆け上がっていくのは爽快だったな〜。

最後は早川の渓流に癒やされてフィニッシュ! 暑かったけど、気持ちよさが勝る自転車旅だった。

沼っていくばかりの自転車遊び。次回はどんなコースにチャレンジするか、考えるだけでワクワクである。