オフィスの引っ越しと共に始まった内田洋行の「ワークスタイル変革」。新しいオフィスを導入した結果、「会議時間11%短縮」や「会議室利用の効率化で1,000万円分のコスト削減」に成功したのだという。
この数値は、どのようなシステムのもとに成り立っているのだろうか。「ワークスタイル変革」の仕組みを探るため、経営企画部 広報課 の長谷川泰さんにオフィス内部を案内していただいた。
会議室の「ロス」を防ぐには……?
8Fの会議室を出たところ、エレベーター前の壁には謎のタッチパネル端末が。
これは、会議室予約管理システム「SmartRooms」を利用するためのもの。会議予約管理システムとはどのようなものなのか。
長谷川さん「会議室の予約を行うシステムで、会議室前に設置したタッチパネルやタブレット端末で操作できるようになっています。使い方は簡単で、事前に使いたい部屋をグループウェアから予約しておいて、会議の開始前に会議室前の端末から『利用開始』ボタンをタッチしておきます。そうすると、表示が『使用中』に変わるんです。使い終わって『利用終了』をタッチすると、『空室』になって、だれでも使えるようになります」
どこの会議室が空いていてどこが埋まっているか、ひと目でわかる合理的なシステム。限られたスペースを最大限に活用するための工夫の1つだ。
だが、会議室に行くのを忘れてしまったら、部屋は押さえられてて誰も使えない状態になるんじゃ?
長谷川さん「その心配はありません。予約時間から10分たっても『利用開始』ボタンがタッチされないと、自動でキャンセルになるんです。キャンセルされた会議室は『空室』となるので、空いてるところにスルッと入って会議ができます」
長谷川さん「以前は、空室だと思ってのぞきこんだら会議中だったりとか、逆に使用中だと思って待っていたら実は誰もいなかったとか、ダブルブッキングしてしまったとか、トラブルがあったんですが、これを導入したことで待ち時間やコストが大幅に削減されました」
このタッチパネルは、内田洋行がICT(情報通信技術)を活用して働き方を効率化していることを明示するアイコンなのだ。
ワークスタイル変革後の会議室は、ある月は、月457件の会議利用予定のうち24%が自動キャンセルされ、その半分が別の会議に利用されたそうだ。こうした積み重ねで、「会議室の効率的運用で1,000万円分のコスト削減」「会議時間の短縮」に成功したのだ。
では逆に『利用開始』ボタンを押し忘れたらどうなるのだろうか。
長谷川さん「めったにないですけど、空室だと思って他の人が入ってきて『ウワァ!』ってなります(笑)。なので、みんな押し忘れないように気をつけていますね」
もし内田洋行に転職することがあったら、「ウワァ!」とならないためにも、タブレット操作を忘れないように気をつけてほしい。
ウッディーな階段
内田洋行のオフィスは1F~8Fまで。各階は開放感あふれる木製の吹き抜け階段でつながっている。
長谷川さん「気持ちが良いのか、階段を使う人が結構多いですね。ガラス張りなので日の光も入りますし、風通しもいいです。この建物の窓や外壁ブラインドは気温や天候に合わせて自動開閉するようになっており、吹き抜けの階段では煙突効果で空気の流れが生まれます。春や秋では自然換気で過ごせることが多く、冷暖房費も削減できます」
この階段、長谷川さんが言うとおり、座ってぼーっとしたくなるほどの居心地の良さだ。ちなみに窓のブラインドの開け閉めは各社員のタブレットで操作できるようにシステムが組まれているとのこと。
会議室の予約からブラインドの操作まで、ICT(情報通信技術)による効率化が様々なところで見て取れる。単なる「かっこいいオフィス」にとどまらない、「ワークスタイル変革」では、最先端のシステムが導入されていた。
※第4回は7月17日(木)更新予定です。