「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

3回目は、東京・高輪台の「壇太」。一見ラーメン屋ではなく、餃子の店のようだが……?


  • 東京・高輪台「壇太」

都営浅草線高輪台駅から程近くのところに「壇太」という隠れた名店がある。

店に入ると、昭和な雰囲気の中にテーブル席と座敷席が並ぶ。古くからある家庭的な店というイメージだが、実は芸能人や著名人が多く集まる隠れ家的なお店なのだ。

かつては衆議院宿舎が近くにあったこともあって政治家にもファンが多く、小泉元首相も通っていたという噂もある。

看板には「居酒屋 餃子」とある。お酒の飲めるお店だが、中華メニューが充実していて、餃子が看板メニューとなっている。食べログの百名店にも選ばれているほどの人気だ。

立地からは考えられないリーズナブルな価格設定で、いわゆる「町中華」にカテゴライズしてもいいようなお店である。腹いっぱい食べて飲んで1人4,000円といったところではないだろうか。

看板メニューの餃子は450円。しっかり詰まった餡はとにかくなめらかで、皮のカリカリとした食感とのコントラストがたまらない。

そのまま食べても美味しいが、食べるラー油を付けるとまた印象が変わる。 なかなかこれほどなめらかな餡の餃子にはお目に掛かれないと思う。

絹ごし豆腐に濃いめのタレを合わせた「麻婆豆腐」などの王道から、「牛スジと野菜のチーズカレー鉄板焼き」「牛シマチョウのホルモン焼き」などの変わり種メニューも美味しい。

筆者は特にナス料理に驚いた。「肉なす炒め」や「牛ハラミとなすのオイル焼き」はオススメだ。

〆にはラーメンもある。これがまたラーメン店顔負けの一杯で本格的なのだ。「鶏煮干し中華そば」はしょうゆと塩から選べて650円と驚きのコストパフォーマンス。

具はチャーシュー、茹で卵、ノリ、メンマ、ネギ。麺は細めのちぢれ麺。ベースは鶏ガラの清湯スープながら、煮干しがしっかり効いていて、旨味・香り共に申し分なし。

ダシを効かせながら、じんわりと醤油も感じる素晴らしい一杯。極論、ラーメンと餃子だけ食べに来ても満足できる気がする。

このエリアは五反田の方まで行かないとなかなかラーメン店がないだけに、ここは貴重だ。山手線の高輪ゲートウェイ駅も開業し、再注目が集まるエリア。ぜひ足を運んでみてほしい。

筆者プロフィール: 井手隊長(いでたいちょう)

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。東洋経済オンライン、AERA dot.などでの連載のほか、テレビ番組出演・監修、コンテスト審査員、イベントMCなどで活躍中。 自身のインターネット番組、ブログ、Twitter、Facebookなどでも定期的にラーメン情報を発信。ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。
ブログ:「隊長日誌(ラーメンミュージシャン井手隊長の日記)」
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