「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

今回は、東京・上中里の「中華そば ますや」だ。

  • 東京・上中里の「中華そば ますや」


情報過多の時代。ラーメンの情報もネット上に溢れていて、誰でもすぐに美味しいラーメンの情報にリーチすることができるようになった。

そんな中で、老舗や町中華についてはまだまだ知らないお店がたくさんある印象だ。

そもそもお店自体がネットで発信をしないし、常連で成り立っているようなお店は口コミもほとんどない。今回紹介するお店は、Facebookの知人の書き込みをたまたま見て知ったお店。こういう情報は本当に貴重である。

場所は北区上中里。

JR上中里駅は京浜東北線・根岸線で一番乗降客数の少ない駅。駅の北東部の大部分はJR東日本尾久車両センターの敷地となっていて、鉄道マニアがよく集まる場所だ。

そんな上中里の住宅街の中でポツンと哀愁を放つお店が「中華そば ますや」だ。1958年創業。

暖簾をくぐるともうそこは昭和。

オヤジさんがひとりでやられていて、テーブルまでお水を持ってきてくれる。中華そばはなんと400円だ。凄い。

「チャーシューメン」を注文。チャーシューメンでもなんと600円だ。

どんぶりに並々注がれたスープに細かなネギ。動物系の旨味がじわっと効いていて、醤油の香りがほんのり。麺は細め縮れの小池製麺所製。神保町の有名店「さぶちゃん」(閉店)や「伊峡」が使っている製麺所だ。

ナルトは分厚め。メンマはシャッキリといい食感。チャーシューも分厚く噛みごたえがありとても美味しい。

上中里は駅の周りもあまり開発されておらず、古くからの街並みが広がる。そんな街の象徴のようにノスタルジックに輝く名店。本当に大事にしたいお店だなと感じた。

中華そば ますや
東京都北区上中里2丁目38−10
03-3911-8719