「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

今回は、東京・立川「つばさ家」だ。

  • 東京・立川「つばさ家」


ここ数年で「横浜家系ラーメン」を提供する店の数が激増している。

横浜家系ラーメンは1974年創業の「吉村家」(当時は新杉田駅近く)を源流とし、横浜を中心に全国に広がっている濃厚な豚骨醤油ラーメン。

「吉村家」「本牧家」「六角家」など屋号に「家」のつく店名が多かったことから「家系(いえけい)」と呼ばれるようになり、非常に中毒性の高いラーメンで多くのファンがいる。

ここ数年では"資本系"と呼ばれるチェーンの家系ラーメン店が激増し、飽和状態となっている。従来の家系の良さを求めるファンもいれば、ニューカマーの家系ファンもいて、新たな家系ラーメンの時代に突入しているといっていい。

東京・立川エリアの家系ラーメンといえば「つばさ家」である。家系の名店で7年間修業した店主が2006年にオープンしたお店で、武蔵境に支店もある。

昨年の3月移転をし、ホテルの一角の外のスペースで営業している。カウンター6席のみで後ろを通るのもキツい感じの、お世辞にも広いとは言えない店内だ。

ラーメン(並)は690円。麺のかたさ、味の濃さ、油の量をお好みで注文できるのは家系流。

狭くて制約のある厨房でスープをきちんと炊いていて感心する。グラグラと沸く豚骨スープにテンションが上がってくる。

豚骨の厚みがしっかりとしていてボディの強いスープ。ここに鶏油がたっぷりとかけられ、鶏の香りと旨味もプラス。見た目以上に食べ応えのある一杯になっている。卓上のニンニクや豆板醬で味変もOK。非常に満足度の高い一杯だ。これが600円代で食べられるのは嬉しい。

リーズナブルな価格で本格的な家系ラーメンを味わいたい方は、ぜひチェックしてみてほしい。