こんにちは、鍼灸師の片山愛子です。今回は「いつも、いつまでも痛い 」という慢性的に続く肩こりを軽減したいときにセルフケアしていただきたいツボご紹介します。
同じ姿勢で続ける仕事や運動不足、眼精疲労やストレスなどでも肩こりは起きるので、「ツボ刺激+温め」やストレッチなども取り入れて肩こりを軽減させます。気持ちと呼吸を落ち着けてからツボを刺激していただきたいと思います。
肩こりは、首から肩にかけて何かが乗っているような重さや冷たさを感じたり、肩甲骨と肩甲骨の間に板でも入ったようなこり感を覚えたりします。元々は、首や背中からくる症状であることが多いようです。
肩こりはむちうち症や首の筋肉に負担がかかる変形性脊椎症、頸椎脊柱管狭窄症、頸椎椎間板ヘルニア、腫瘍、頸椎後縦靱帯骨化症、肩関節の脱臼、四十肩や五十肩などの原因となります。放置しておくと痛みを感じるようになり、背中や首、腕まで痛みの範囲が広がることも。さらには歯や顎の痛みやめまい、耳鳴り、頭痛の原因にもなりえます。
肩こりを軽減したいときのツボ
肩井(けんせい)
肩痛、肩関節痛、頚肩腕症候群、めまい、耳鳴り、頭痛ほかに効き目があるとされています。
■場所: 肩、軽くうなずいたときにぽっこり出る後ろ首の骨と、肩の端の骨を結んだところの中点。
風池(ふうち)
腹頭痛、肩こり、めまい、眼税疲労、眼痛、耳鳴り、難聴、風邪などの症状で悩みがあるときに試してください。
■場所: 後頭部、後頭骨の下、髪の生え際で、耳の後ろにある突起と後述の天柱とを結んだところの中点。
後渓(こうけい)
寝違え、ストレス、肩こり、汗、難聴などの症状改善に期待が持てます。
■場所: 手、手のひらと手の甲の境目で、こぶしを軽く握ったときにできる小指の骨の盛り上がりを手首側に越えたところ。
天柱(てんちゅう)
頭痛、肩こり、寝違え、めまい、鼻づまり、眼精疲労ほかによいとされています。
■場所: 首の後ろ側、後頭部の下・中央にある盆の窪から外側に筋肉1つを越えたくぼみ。
同じ姿勢でい続けると疲労が蓄積します
同じ姿勢を取り続けると筋肉が持続的に緊張して筋肉が硬くなり、局所で循環の障害が起こります。この循環の障害から酸素や栄養分が届かずに疲労物質がたまってしまい、蓄積が刺激となってこりを起こすと考えられています。
傷ついた筋肉は自ら頑張って修復しようとしますが、この行為がさらに肩こりを増進させるため、こり感は高まるばかりです。また、修復されるのをじっと待っていたとしても、循環の障害はなくなりません。
この状態の肩周辺の筋肉を強くもむと、疲労物質は余計に蓄積されてしまいます。強い刺激は避け、指や硬いものではなく、まずは広い面でやさしく触れましょう。ほぐれてきたら刺激していくようにして、せっかく修復しようとしている筋肉をさらに傷つけないように気をつけましょう。
また、普段の生活で肩と腕が胸の方へ丸まり、猫背になってなっていませんか? アゴが前に突き出ていませんか?
そんな場合は「ツボ刺激+温め」で肩こりを軽減しましょう。置き鍼やお灸もオススメですし、玄米や小豆を利用したホットパックを肩に置くだけでじんわりしてきます。ドライヤーの熱風を首から肩にかけて当てるのも効果的です。
ストレッチでは、アゴを後ろに引いたり前に出したりする動きや、肩回りのストレッチなどを取り入れて、正しい姿勢を意識し、軽く動かしてみましょう。
記事監修: 片山愛子(かたやま あいこ)
鍼灸師。人間総合科学大学鍼灸医療専門学校東洋医療鍼灸学科(旧早稲田医療)卒業。同校臨床実習施設にて卒後研修修了。医学博士町田雅秀先生に師事。メディコ八千代院長。あおぞら鍼灸治療室勤務。メディコ新宿勤務。在学中より現在まで東京医科大学にて年数回の解剖実習、中国での中医学研修、薬膳研修修了。予防医学・介護予防運動・美容健康などについて研修。疾病治療と予防医学を東西医学の両面からアプローチした治療を実践。