鉄道の安全システムは二重、三重に整備されている。係員の誤操作、機械の故障などを想定しているからだ。事故を起こせば怪我や死亡に至る場合もある。もちろん脱線事故などもってのほか。ところが、安全を重視するために、わざと列車を脱線させる仕組みがあるという。「安全のための脱線」とはどういうことだろうか。
安全のためにわざと列車を脱線させる仕組み、これは「安全側線」という分岐器だ。安全側線の分岐器の片側は線路が無く、その代わりに緩衝材の砂利や壁がある。本来、停止線で停まるべき列車が暴走した場合、他の列車が走行する線路に進入すると衝突事故を起こしていまう。そこで、暴走した列車をわざと脱線させて強制的に停車させる。
安全側線に入ったとはいえ、脱線事故である。その列車に乗客がいた場合は怪我などの事態になる。しかし、安全側線がなければ列車は他の列車と衝突し、もっと大きな惨事になってしまう。安全側線は万が一の場合に、被害を最小限にとどめる仕組みなのだ。もっとも、安全側線に入るまでに列車の速度を下げるなど、他の安全装置も働いているため、脱線といっても車体が転覆するような事態にはならないという。
ちょっと危険に見える「安全側線」はどんなところに?
「安全側線」はどんな場所に設置されるか、鉄道会社経営シミュレーションゲーム『A列車で行こう9』の画面で説明しよう。
『A列車で行こう9』とは
『A列車で行こう9』はアートディンクが企画・開発し、サイバーフロントが販売する鉄道会社経営・都市開発シミュレーションゲーム。線路を敷き、列車を走らせ、駅に列車が発着すると都市が発展していく。シリーズ最新となる本作は、線路の形状やポイントの角度が増えて、実際の線路を再現しやすくなっている。 Windows 7 / Vista / XP 対応。価格は12,390円。詳しくはこちら。
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安全側線が作られる場所で最も多いところは、「単線ですれ違い可能な駅」だ。先に紹介した写真2枚のうち右側は、筑肥線で高架部分がそれにあたる。次に多い場所は「支線が本線に合流する地点」だ。左側の写真は池谷駅の南側。ここは高徳線と鳴門線が合流するところ。安全側線は鳴門線側に設置されている。このような例の他にも、貨物駅や操車場(車庫)から本線へ進入する部分にも設置されている。
単線の駅で、対向列車を待つために停車する。しかし、何らかの原因で停車できなかった場合、本線に進入して対向列車と衝突する(左)。安全側線を設置し、発車時刻までは脱線側に切替えておけば、少なくとも正面衝突は避けられる(右) |
安全側線は大惨事を防ぐ最終防衛ラインとも言える。しかし、最近は安全側線のない路線も多い。列車自動停止装置や列車集中制御システムなど、新たな安全システムが整備されたためだ。新しく建設される路線では、安全側線を使うまでもなく列車を停めることが可能だ。古い路線でも安全システムの改良が進んでいる。近年、安全側線が作動した例は少ない。安全側線は、歴史のある路線の象徴とも言えそうだ。
『A列車で行こう9』を楽しむ推奨環境
線路を敷き、列車を走らせ、街を発展させる『A列車で行こう9』では、もちろん列車の脱線や衝突事故は起こらない。しかし、一昔前の鉄道風景を再現するなら、単線の駅に安全側線を設置してみるとよい雰囲気になる。本作では、ポイント設置可能数が2,000カ所と大幅に増えた。風景づくりのためにポイントを設置しても、まだ上限に余裕があるはずだ。
この『A列車で行こう9』を動作させるために必要なスペックは下の表の通り。パーツそれぞれの要求性能はかなり高め。もし、CPUのスペックを上げたり、2~3種類のパーツをグレードアップさせようと思うなら、PCを丸ごと買い換えた方が安上がりかもしれない。パソコンショップ「ドスパラ」を運営するサードウェーブでは「A列車で行こう9 推奨モデル」「A列車で行こう9 推奨プレミアムモデル」を販売している。パソコンを買い換えるときはこの2機種のように、自分でパーツを選択できる「BTOスタイル」がオススメだ。将来のパーツ変更にも柔軟に対応できる。
OS | Windows 7 / Vista / XP(64bit版OSは未対応) |
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DirectX | DirectX9.0c以上 |
CPU | Core 2 Duo |
メモリ | [XP]1GB以上 [VISTA/7]2GB以上 |
HDD空容量 | 1.2GB以上 |
ビデオカード | GeForce 6シリーズ以降、RADEON X1000シリーズ以降のビデオカード |
VRAM | 512MB以上 |
ディスプレイ | 1024×768ピクセル以上 |
サウンド | Direct Sound対応 |
入力機器 | キーボードおよびホイール付マウス |
その他 | インストール時にDVD-ROMドライブ必須、インストール時にインターネット環境が必須 |
公式ガイドブック発売決定
『A列車で行こう9』の公式ガイドブックが6月25日にエンターブレインから発売された。初めて遊ぶ人がまず何をすべきかやゲームの仕組みをステップ式で解説するほか、列車運行計画に必要な建物と駅、乗客数の関係をグラフで紹介する。列車データは、各列車の基本運賃と運行コストのデータも収録。A5判フルカラー144ページで定価1,890円。このガイドブックを同梱したゲームパッケージ『A列車で行こう9 with 公式ガイドブック』も7月2日に発売された。価格は13,440円。