日本の鉄道の時刻表は24時間制だ。開業当時からしばらくは12時間制だったけれど、24時間制に統一された。12時間制の場合、同じ日に午前と午後の2つの時刻があって間違えやすいからだ。また、日本語では午前12時は昼間だけど、海外で「12:00 a.m.」と表記した場合は真夜中になる。そして日本の12時間制では12時を過ぎると0時として数える。しかしデジタル時計では「12時01分」と表記する場合があるからややこしい。

24時間制で表記すれば、0時は真夜中、12時はランチタイムだ。わかりやすい。そのせいか、鉄道ファンは日常生活でも24時間制を好む人が多いような気がする。

ところで24時間制の場合、深夜の0時ちょうどは24時ちょうどでもある。これもどちらかに統一したほうが良さそうだけど、市販の列車時刻表には「000」と「2400」の両方の表記がある。これにはちゃんと意味がある。どのように使い分けているだろうか。

市販の時刻表は「2400」と「000」を使い分けている

わかりやすい例を探してみた。「JTB時刻表」12月号の209ページ。山陽本線・東海道本線の上り、岡山~米原間の時刻表だ。姫路駅21時57分発の野洲行の新快速、列車番号3544Mの野洲駅到着時刻が「2400(24時ちょうど)」だ。その右隣、姫路駅22時01分発の野洲行の普通列車を見ると、山崎駅の発車時刻が「000(0時ちょうど)」だ。これは交通新聞社発行の「JR時刻表」も同じだった。

正解は、列車の到着時刻の場合は「24時」、発車時刻の場合は「0時」だ。24時台の表記は「2400」だけ。1分でも過ぎると、出発も到着も「001」と0時台の表記になる。深夜帯でもあるし、市販の時刻表で「2400」の時刻表示はかなり希少な例といえる。

ちなみに、インターネットの時刻表表示サービス「えきから時刻表」の場合は、同じ列車を表示すると着時刻も「000」となり、「2400」は表示されなかった。乗換え検索サービスの「Yahoo! 路線情報」も同様で「000」着だった。コンピューターの時刻表示ルールは「000」で統一されているようだ。

では、交通新聞社が提供するスマートフォン用アプリ「デジタル時刻表 Lite」はどうだろう。「市販の時刻表と同じように表示できる」がセールスポイントだったはず。

「デジタル時刻表 Lite」で野洲駅24時0分着の新快速を表示してみた

ご覧の通り、着時刻として「2400」と表示された。さすがだ。ただし、経路検索機能では0時00分着と表示される。きっと紙面表示はデザイン処理で対応でき、経路計算結果はOSの仕様に合わせる必要があるのだろう。惜しい。