今回からやっと本題(?)に入り、実際の私の旅の記録を通じて週末海外旅行とはいったいどんなものなのかを紹介していきます。まずは、週末海外旅行初心者にもおすすめしたいシンガポール・マレーシアの旅。なぜシンガポール・マレーシアの旅が初心者にもおすすめなのかというと、このルートには週末海外旅行だから楽しめる数々の旅の醍醐味があるからです。また、紹介する以外にもこのルートには様々な楽しみ方があるので、ぜひ自分だけの旅を考えてみてください。

フライトスケジュールは、旅の目的を決めてから選ぶ

まずは旅の目的を決めておきましょう。週末海外旅行は短い期間なので、優先順位を付けて行き先・目的をいくつか決め、それをクリアできるようにおおまかなスケジュールを組んでおくと、より楽しい旅になります。私の場合、今回のシンガポール・マレーシア旅行で必ず達成したい目的は次の3つに絞りました。

  1. マレー鉄道で国境を超えたい(シンガポール→マレーシア)
  2. クアラルンプールで憧れのホテルにあるスパに行きたい(マレーシア)
  3. マラッカの夕日を眺めたい(マレーシア)

私の中で、もっとも重要度が高いのは1です。シンガポール - マレーシア間の国境越えにはいくつか方法があるのですが、今回は鉄道を使うことにしました。マレー鉄道はシンガポール - マレーシア - タイを結んでいますが、この区間を週末海外旅行だけで制覇するのは大変です。なので、一部分だけ乗車すると決め、その区間はシンガポール‐マレーシア(クアラルンプール)にしました。目的をいくつにするかはその内容にもよりますが、1日1つ程度にしておくと達成感が得られやすいと思います。

マレーシア国鉄(KTM)の時刻表を見ると、シンガポール発の列車は7:40、15:30、21:00の3便があります。シンガポール発7:40の列車に乗ればクアラルンプール着は14:00台です。この列車なら、クアラルンプールに着いてからもその日は色々と観光もできそうです。なので、この列車に乗ることを前提にフライトスケジュールを考えることにしました。

前日深夜(当日早朝)に入れば、着いた直後からバリバリ動ける!

シンガポールで7:30の列車に乗るには、その前に現地に到着してなくてはなりません。そこで選んだのが往路の夜便です。第5回で購入したシンガポール往復のチケットは、往路が成田国際空港を19:10に出発し、シンガポール・チャンギ国際空港に翌日の1:10(-1時間の時差)に着くSQ11便ですが、このフライトを選んだ理由は、翌日の朝にシンガポールを出発するマレー鉄道に乗りたかったからです。このように、前日の深夜(または翌日の早朝)に現地に到着できるフライトを往路に選ぶと、旅に出た次の日(当日)の朝から予定を組めます。到着は深夜になりますが、フライト疲れをすぐ現地で癒せるので、次の日の朝から元気に動けるのも利点。私が週末海外旅行をする際に半休を取って18時過ぎのフライトに乗る理由は、次の日の朝から現地でフルに動きたいからなのです。

翌朝帰国した足でそのまま出社!?

次に復路のスケジュールですが、シンガポール航空の場合、9:45(SQ12)と23:40(SQ638)にシンガポールを発つ成田国際空港行きの直行便があります。それぞれの成田国際空港への到着時間は、17:35、7:30(+1日)になります。東南アジアの国から日本への復路の直行便は、このように現地を深夜に発ち、翌朝に到着する便(深夜便)が多数あります。「2泊3日(プラス0.5日)」で旅を終わらせたいなら、午前便を選べばよいでしょう。しかし、少しでも滞在時間を延ばしたいなら深夜便がぴったりです。ただし深夜便の到着は翌朝なので、空港から会社へ直行しなくてはならないのはやはり辛い。でも深夜便を使えば、午前便よりも半日以上も長く滞在できる……。どちらを選ぶかは悩ましいところです。

私は少しでも現地での滞在時間を取りたいので、たいてい深夜便を使います。ビジネスクラスなどが使えるほどリッチなら深夜便でも楽でしょうが、私の稼ぎではエコノミークラスが関の山。なので、飛行機に乗ったらすぐに睡眠姿勢をとり、次の日の仕事に備えます。いずれにせよ、深夜便は次の日が辛いことは事実なので、厳しい言い方ですが、無理そうだと思う方は深夜便を使う週末海外旅行は避けたほうがよいでしょう。

持ち物は最小限にまとめ、現金もなるべく持たない!

最後に旅の持ち物について簡単に紹介しておきます。まず、カバンですが、週末海外旅行は短い期間なので、トランクは使わず、機内持ち込みサイズのものを使うのがいいと思います。機内持ち込みの荷物だけだと、到着時に荷物のピックアップが省けるので、無駄な時間を使わないで済みます。また、チェックインもカウンタークローズ(フライトの1時間~40分前、航空会社によって違う)までに済ませればOKなので、空港への出発時間にもゆとりができます。細かい持ち物は必要なものを最小限という気持ちでまとめ、忘れ物があっても大抵現地調達できるのでそれほどシビアに考える必要はありません。正直な話、パスポートと航空券(控え)さえあれば旅行はできるのです(あとはお金やクレジットカードも忘れずに! )。

また、滞在先の現地通貨は、事前に両替するのではなく、大抵現地のATMを使って現金を手に入れています。ATMはクレジットカードのキャッシングサービスを使うのがもっとも簡単です。ただし、利息が付くのがなんとなくイヤなので、私はシティバンクのネットバンク専用口座「eセービング」を使っています。この口座は、専用のキャッシュカードを使って、日本で預けた日本円を現地通貨で引き出せるのが利点です。成田国際空港にはシティバンクのATMが何カ所かあるので、出国する前に、現在持っている日本円とその他必要になるお金をすべてeセービングに入れてしまうと日本円を一切持たずに出国できるので便利です。なお、現地での引き出しはシティバンクのATMはもちろん、「PLUS」のロゴがあるATMを使えるので、どの都市でもまず不便を感じることはありません。

ちょっと長くなりましたが、これでシンガポール・マレーシアの旅の準備が終わりました。深夜便については賛否両論だと思うのですが、私の場合は辛さよりも旅への欲求が勝っているので、週末海外旅行における"茨の道"みたいなものだと割り切っています。次回は実際の旅行記を写真もふんだんに使って紹介しますので、お楽しみに。それではみなさん、よい旅を!

コノミ流旅の掟
「復路に深夜便を使えば、現地での滞在時間はかなり長くできる!」